都市伝説、夢。
都市伝説がある。 ある条件を満たすと、長い黒髪の天使が現れるという都市伝説。 『ある条件』とは、この3つだ。 ・何かのノートに『テンシ二アイタイ』と100回書く ・その後に外へ出て『イタイア二シンテ』と100回となえる ・となえた直後に空に向かって、自分にとっての1番の宝物を思いっきり投げる 投げた宝物が落ちてこなければ、天使にとどいたということだ。 しばらく待てば、その場に天使が現れて、 1つ、どんな願いでもかなえてくれる。 だがその代わりに、自分の寿命を30年みじかくされる。 そういう都市伝説。 ――誰も興味がないのだが。 あるところに、酷い『いじめ』にあっている中学生がいた。 その中学生の男子は、死にたいとさえ思うようになった。 そんな彼は、いじめがなくなってほしいという願いを、 どんな手を使ってでも叶えたくなった。 そこで彼は、あの『都市伝説』をやってみたくなった。 いじめのせいでボロボロにされたノートに、 『テンシ二アイタイ』と100回書く。 誰もいない広場で、『イタイアニシンテ』と100回となえる。 そして、自分の宝物を、力いっぱい空に投げる。 宝物は落ちてこなかった。 願いを叶えらるかも、という淡い期待を胸に、立ちつくしていると、 後ろから虹色の光が差し込んできた。 天使が、現れた。 伝説通り黒髪で、とても神秘的だった。 彼は夢中で叫ぶ。 「この世から、いじめをなくしてください!!」 天使は静かにうなずいて、彼に向って手を伸ばした。 そして、彼の体から何かを吸い取っていった。 多分、30年分の寿命。 『30年分の寿命はもらいました。あなたは46歳まで生きるでしょう。望み通りにこの世からいじめをなくしました』 そして、天使は消えた。 その後、彼をいじめるものはいなくなった。 ピピピッ ピピピッ 「ん、あれ・・・?」 午前6時00分。 いじめを受けていた彼が、ベッドから起き上がる。 そして、暗い顔をする。 彼は、不登校だった。 いじめは終わってない。 つまりあれは、夢だったのだ。 ――なのに。 彼は、46歳で人生の幕を閉じた。