小説の主人公のように
僕には幼なじみがいた。 けど…数年前に病気でいなくなった 彼女はとてもいい子だったたんだ、優しくて面白くて、それに…小説を書くのが好きだった 彼女が書く小説はどれもハッピーエンドで終わるんだ どんなに暗い話でも悲しい話でも… それが彼女らしくっていつも新作が出るのを楽しみにしてたな… ―――…目を覚ますと見慣れた自分の部屋の天井があった これで何回目だろう彼女の夢を見るのは ここにいない彼女に助けを求めたって…意味なんてないのに 僕のクラスには8ヶ月ほど前からイジメが起きている でも、知らないふりしてる 『いつか終わる』皆そう自分に言い聞かせて… 最終的にいじめられっ子は学校に来なくなった 先生からはいじめは無かったかと聞かれた 皆知ってたでも黙った 怖かったんだ…これでなかった事にしたかった そんな時僕はある事を思い出した 暑い真夏の日だった 公園での彼女との、"優里"との会話 「小説はすごいよねー、なんでもできちゃうんだから…」 優里は少し考えてから「そんなことない」と言った 「現実も小説もそう違わないよ、ただ、現実での皆が臆病すぎるだけ、小説でも現実でも何かするには勇気が必要なんだよ、悪いやつをやっつけたり、人を助けたりさー…現実にはその勇気が無い、たったそれだけの違い、あとはみんな一緒だよ」 僕は前を向いて「――…先生!」と手を上げた