君と僕の秘密の話
雨の降るお葬式の中ですすり泣く少年。棺の中で静かに眠る親友の楠本 瑞希は前日コンビニエンスストアの前で衝突事故の巻き込まれた。逝かないで、、、 そう思った時には もう彼は消息を絶った。少年は思う。 約束したのに、、、 少年と瑞希は約束をしていた。特に意味のない、遊ぶというだけの。待ち合わせ場所が事故現場になってしまった。しかし、今思えばその短い時間がどれだけ特別だったことか。ああ、逝かないで。また一緒に遊びたい。けんかもした。一緒に泣いて一緒に笑った。自然に涙が出てきた。外はまだ暗い。そして、静かに雨が降っている。 その夜、少年は不思議な夢を見た。なんと、瑞希がすぐ、そばにいる。いなくなったはずの、瑞希が。手を伸ばしたら、すぐに届く。そんな距離。あんな事はなかったかのように、自由に気ままに生きている。最後に瑞希はこう言った。 「僕が僕であるために、僕はいつもまっすぐな道を歩いてきた。次は君が君の人生を歩め。」 夢から目覚めた少年の枕には、瑞希が映った写真が置かれている。静かに前を向いたしょうねんは、もう泣こうとはしない。ただただ、瑞希から言われた言葉が、耳にずっと残っている。 今、少年は絵本作家だ。人々の暮らしを描く、とても有名な絵本作家。そして、彼の思い出の写真は、彼がどこに行こうと、いつでもそばにあった。