【短編小説】「いつか」
「せんせー、もう治療良いでしょ?」 「うーん、だめだなぁ」 飽き飽きしている私に先生はいつものように困った顔をする。 「えーひどいよぉ」 「そりゃ自分の体と相談しないとだからな」 幼いころから体が弱く入退院を繰り返してばっかだった。だから退屈な入院生活は大嫌いだった。 「意地悪だねせんせー」 「ほらほら、先生困らせないよ」 そう口を挟んだのは同じ学校の幼馴染み、ヒカルだった。 「あーあいいなぁヒカルたちは学校に行けて」 「いつかは行けるよ!」 そう励ましてくれているけど私にはわかる。その「いつか」ってものが私にはないことを。 「そっか!いつか病気もなおるもんね!」 明るくいられるのももう少ないだろう。 ヒカルはこんな体が弱い私を小さい頃から支えてくれた。 入院生活もヒカルがいたから辛くなかった。 「ヒカルー」 「ん?どうかした?」 「大好き」 「、、、は?え?は?」 「wじょーだんだってwいつもありがとね」 「ああなんだ。てかなんで急に?」 「んー何となく?」 「えなにそれ怖いんだけどw」 そんなヒカルとの会話が楽しくて、ずっとずっと続いてほしかった。 私に「いつか」が来るなら、この恋は実るのかな? 「急に発作が起きたみたいでね…」 「そうそう、余命もあったせいかそれでね…」 「可哀想に、まだ16だったんでしょ?」 そんな会話を聞き流しながら俺は力なく彼女の笑顔が写った写真を見る。 「どうして…」 どうして俺は何もできなかったんだろう、という情けなさとどうして彼女が亡くなったんだという辛さが同時に襲う。 「大好き」 そう言われた時は内心嬉しかった。 最後に会ったあの日の会話が鮮明に蘇り涙がとどめなく溢れてくる。 「ずっとずっと大好きでしたッ…」 拝啓 今は亡き想い人へ 君があの日言った「いつか」をずっと待ち続けたい end 閲覧ありがとうございます。 感想、考察等を送ってくださると嬉しいです。
みんなの答え
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切ない
凄く切ないけど、素敵なお話だった。 主人公とヒカルの会話がすごくかけがえのないものだったんだなと感じました。