短編小説みんなの答え:3

毒で『あの男』に復讐します。

「ご飯作るの手伝ってくれないかしら?」 キッチンに立っている彼女が言った。 「いいよ。君が困っているならばね、」 「ありがとう!あなた」 彼女とは10年前からの付き合いで、 2年前に結婚した。 見て分かる通り、俺と彼女は皆んなが羨むほどに仲が良い夫婦だ。 でも、いつの間にか…2人の愛は崩れていった。 美女で、喋りも良くて、器用で、完璧な彼女はいつも優しく接してくれるのに、なぜだろう。物足りないと思ってしまう。 俺は彼女を裏切って、別の女に突っ走ってしまった。 別の女に溺愛してしまったのだ。 その女は個性的な格好でギャルっぽい。 喋り方も荒っぽくて穏やかな彼女とは真反対だ。 でも、女に恋に落ちてしまった。 「おい!、ホテル代、あんたが払えよ」 2人でホテルに泊まろうとした時、女が言ってきた。 「そんなの知らないって。いつも俺が払ってるだろう?お前も払えよ」 俺は彼女の貯金を崩し、女とのホテル代に使っていた。 「じゃあお前の家に行くよ」 そう女に言った。 「アタシだって居るのよ男が、」 女も別の男が居るらしい。 「ほんっとに嫌なの、アタシと同居してる男が。浮気してるくせに、何も知らないような顔をしているのよ、大っ嫌い」 「俺もそうだ。彼女が嫌いだよ、 笑顔で俺に近寄ってくるのもウザいし…」 「…ふふ、それじゃ、殺さない?… アンタは彼女を、私は大っ嫌いな男を」 ふざけているのか、本気なのかは分からない。 「いや、そんなのは、…」 「良いって、…殺そう、私も殺すから… この毒で…」 約束してしまった。 今日の夜、彼女とご飯を一緒に食べ、そのご飯に毒を盛って殺す、と。 仕方なく、家のドアを開けた。 「あっ、おかえりなさい! 残業大変だった?コート預かるね!!」 笑顔の彼女が俺を迎えた。 そういう所、とてもウザい、と思いながら リビングに行って、毒を盛っても分からなそうな料理はないかなと探した。 よし!トマトスープにしよう。 「頑張ったんだよねぇー私、全然料理できなくて、笑。食べてみて!」 「あぁ、ありがとう」 彼女の隙を狙い、毒をスープに入れた。 「じゃあじゃーん!ケーキも作ってみたよ! 今日は2人の結婚記念日だからね!」 結婚記念日…。そうだ、今日は…。 「いただきます」 彼女が毒のスープを飲むように、俺はトマトスープを飲んだ。 「…美味しい?、」 …!!。 その声は彼女ではなく、あの女のものだった。 「そんなにも、『私』のこと嫌いだったの? それで『アタシ』を好きになるなんて…。」 「ち、違う…これは…」 「何?言い訳でもするつもり?」 「ご…ごめ、…」 反省の言葉すら出てこない。 あの女は、彼女だったのか?。 つまり『あの女』が嫌いだと言っていた男は俺だったということだ。 俺は毒入りのスープを飲んでしまった。 体が全然動かない。 腰を抜かしてしまったのか、毒が身体に回っているのか。 あぁ俺がバカだった。

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