僕は家族が嫌いだ
僕は家族が大っ嫌いだ。父さんも母さんも姉ちゃんも。僕は何もしていない。みんな僕のことを無視する。なんでだろう?姉ちゃんには2人とも普通に接しているのに。授業参観にだって来たためしがない。誕生日も祝ってくれない。「もうこんな家いやだ」僕はずっとそう思っていたので、高校卒業と同時に家を出て、働き始めた。家族の連絡先は全て消した。はっきりいってもう関わりたくなかった。それから数年。僕の家の郵便受けに手紙が入っていた。親戚からだった。家族全員が交通事故にあって亡くなったらしい。無視したかったが、葬式には出てやることにした。今まで僕に冷たく接してきた家族の葬式だ。棺に入った遺体を見ても何の感情もわかない。葬儀が終わった後、親戚から家族が僕に冷たく接していた理由が聞かされた。どうやら僕が産まれる前に母さんのおなかには男の子がいたそうだ。つまり姉ちゃんの弟で、僕の兄ちゃんだ。でもその子供は流れてしまったらしい。家族はそのショックから僕と生まれてくるはずだった兄ちゃんを重ねてしまい冷たく接していたそうだ。それを聞いても僕は何も感じなかった。帰ろうとしたとき、親戚から一通の手紙を渡された。家に帰って読んでみた。「まずあなたに理由なく冷たく接してしまったことを謝罪させてください。本当にごめんなさい。今思えば私たち家族は愚かでした。流れた兄とあなたを重ね合わせて冷たく接してしまうなんて。でも、これだけは言わせてください。本当に後悔しています。私たちはあの世であなたを愛せなかったことを悔やみながら生きていきます。」僕は手紙を破り捨てた。あまりにも身勝手だ。「今日はもう寝よう」そう思って布団に入る。起きたのはお昼過ぎだった。昨日の手紙を読み返してみる。「あの世で悔やみながら生きていきます」ここよく考えたらおかしい。僕は一つの結論にたどりつく。家族は自殺したんじゃないか?でもこれは憶測にすぎない。それに僕を空気のように扱った家族だ。むしろ死んでくれてせいせいする。僕は笑った。どれだけ笑っただろうか。ふと鏡をみて僕は驚いた。そこには降格をあげながらボロボロと泣いている自分の顔があったのだ。何で泣いているんだろう。僕は気が付いた。確かに僕は家族が嫌いだった。でも心のどこかでは家族に対して{愛」を感じていたのだ。そして手紙の入っていた封筒の中に一枚の写真gなあることに気が付いた。写真を手に取ってみる。そこにはおそらく生まれたばかりの僕を見てうれし泣きしている母と、満面の笑みの姉ちゃん。たった今駆け込んできたであろうスーツ姿の父さんの姿があった。(END)