ダイヤモンド
私は、姉が嫌いだった。姉は病気持ちで、いつも咳き込んでいた。両親も姉に構ってばっかりだった。そんな姉が、私は嫌いだ。6歳の時はそんなことなかったのに……… 私は14歳。夏村梨音。姉は私より3つ歳上で、詩音といった。まるでダイヤモンドみたいな綺麗なお姉ちゃんだった。でも、姉は9歳の頃、重病を発症していた。そこから両親は、私には冷たくあしらうようになった。学校での話もまともに聴いてくれないし、褒められた記憶も愛された記憶さえも 無い。“全部姉ちゃんのせいなんだ” 姉ちゃんが大嫌いになって私は病室で寝ている姉ちゃんに会いに行かなくなったし、 学校でも家族のことなど話さなかった。そんなこんなで私の小学生時代は終わった。中学生になって、勉強が忙しくなったが友達と遊ぶ数も増えて、家族のことなんて忘れかけていた。 でも、中2の夏、私にはある大事件が起きた。終業式の日だった。帰路についた、カバンの中のスマホが慌ただしく鳴った。母からだった。滅多に連絡くれないくせになんだよ。しばしば電話にでると、 いきなり要件から話してきた。『姉ちゃんが意識不明の重体なの!急いで病院に来て!』急いで電車で病院に向かうと、 教えられた番号の部屋に入った。姉ちゃんはそのまま息を引き取った。葬式期間中は両親はなぜか私に優しかった。私は姉が死んだのに、嬉しかった。姉の遺品整理をしていると家族に宛てた手紙が出てきた。 ー梨音へー ごめんね梨音。姉ちゃんは今まで何もしてやれなかったし、 寂しい思いをさせちゃった。私はお母さんのこと独り占めしようとか思ってなかったよ。 ごめんね。梨音。私には夢があったの。 もう叶えられない。 梨音。叶えなくていいけど、私は お医者さんになりたい。強くてかっこいい。 梨音は自分の夢を追いかけてね。 ‥4年後… 私はその後両親とも和解し、今から受験を受ける。両親は姉が病気になったことがショックで、私のことを気にかけることができなかったらしい。まぁいいか。 受ける大学は医大だ。姉ちゃんの夢は私の夢。 もう、姉ちゃんは嫌いじゃない。あれは単なる私の嫉妬だったみたい。見ててよ、姉ちゃん。姉ちゃんの分も、私、生きるからね。 今でも姉ちゃんは私の心で生き続けている。永遠に。ダイヤモンドみたいに綺麗な姿で。