テレパシーが使える2人の恋
もしもテレパシーが使えたらどうする? 友達同士の心の会話、楽しそうだよね。 実は、私はテレパシーが使えた。 私は椛(もみじ)という。中学3年生。 テレパシーが使える・・・といっても、信じられないよね。 でも、本当なんだ。 心の中で言いたいことを伝えられる能力を持ってる。 同じ能力を持ってる子は、この世にもう1人だけいる。 クラスメートの、夜空(よぞら)くん。 実は、私は夜空くんが好きだ。 夜空くんは、私のことを『友達』としか思っていないかもだけど、 私は、夜空くんが大好きだ。 私たちは、よく心の会話をして遊んだ。 授業中に話していてもバレないから、私と夜空くんは、この能力を気に入っていた。 (椛、今日は遊べる?) (うん!遊べるよ!今日はさ、新しくできたカフェ行こうよ!) と、こんなふうに。 ある日。 休み時間になって、みんながワイワイとしゃべり出したころ。 いつもなら、私と夜空くんは心の会話をするのだが――。 今日は違った。 (おーい、夜空くん?)と私が心の中で呼びかけても、返事がない。 どうしたんだろう、と思っていると、 突然、大きな声が響いた。 「椛、好きだ!!」 クラスメート全員が、目を見開く。 同じく、私も瞬きができなかった。 声の主は、夜空くんだった。 「椛、好きだ!付き合ってほしい」 教室によく響く声で、夜空くんが言った。 私は、とたんに、夜空くんが妬ましくなってきた。 そこで、心の中で、夜空くんに言った。 (告白は、心の中でしてよ!恥ずかしいじゃん!みんなに聞かれてるでしょ!!) すると、夜空くんがかすかに微笑む声がした。 そして、夜空くんは心の声で言う。 (心の中で告白なんて、嫌だよ。直接言った方が『好き』って言葉が伝わる気がするよ?) 悪意のない、優しい言葉に、思わず笑ってしまう。 (そういう素直な所も、私は好きだなぁ・・・) うっかりと、心の中で言ってしまった。 すると夜空くんが心の中で、大声で言った。 (あ、今『好き』って言ったね!?聞こえてるからね!!)