お星様にお星様になる瞬間嘘をついたあの子
私は、人の心が読めます なので、この世の醜さなんて嫌というほど、親の顔より見てきました。 でも、私がある日、いつもの定期検診に病院に行ったとき この世の全ての優しさを集めたような人が入院しているのを見かけました その子は、犯罪者が自殺しようとしたところを止めに入って乱闘を起こし刺されて、入院中なのだそうです 私だったら絶対に許さないけれど、その子からは何故か、怒りも、悲しみも感じ取れず 「人が死ぬとこは見たくないの。目の前の誰かが死ぬ以外の恐怖なんてないわ。それより、病院のご飯ってケチね、。甘いものが食べれないの。私、糖分不足で死にそうだわ。」 というのです。びっくりしました。 しばらく、いや一年くらいそのこと病院で会うたびに話していました。 けど、私はその子の段々んと痩せ細っていく体と青白くなっていく顔を見て あぁ長くはないんだなと悟りました。 そして何よりその子の死を決定づけるものとして、その子がいる病棟の看護師さんが最近妙にしんみりしていたのです。 その子自身も自分は長くないとわかっていたのです。 けれど、私に心配をかけたくないからでしょうか。 「いつか絶対、銀座の地下で甘いお菓子いっぱい買ってやるんだからね!!その時は一緒に行こう」 と、その子にはもうこない未来の話を最近するようになりました。 それから、数ヶ月その子はぽっくり逝ってしまいました。 最後にそのことこんな会話をしました。 「ねぇ、私ね、死んじゃうんだって」 「、、、、そっ、、、か、、、」 「死ぬのは怖くないよ」 「そう、、、、、、」 「なんでだと思う?」 「、、、、?」 「優しい人がいっぱいいるから!」 「もちろんこの世にもあなたみたいに優しい人もいっぱいいるのよ?」 「だけどさ、流石にこの世界にはもう飽きてしまったわ」 「生まれ変わりなんて信じてないけど、、、もし、、その、、生まれ変わったらっ、、 また、、その、、、一緒に喋って、、、くれ、、る?」 「うん!!」 その子は初めて私との会話で嘘をつきました。 「死ぬのは怖くないよ?」 「嘘だよ、怖いよ、まだ生きていたい」 私のその子の心の声を聞きました。 けれど、どうする事もできずその子は息をたえました。 その子は、お星様になってしまう瞬間だけ嘘を一つつきました。 私ははっきり言って生まれ変わりなんて信じていません。 けど、まぁ、あの子の生まれ変わりがやってきたら 今度こそ、銀座の地下で甘いものを食べたいな。