たったひとしずくの契約
もう大人なんだから。泣いちゃダメ。 感情を爆発させるのもダメ。 大人なんだから。 たとえ涙が出かかっても押し込んで。 後ろにある気持ちは見せちゃダメ。 私には決めたことがある。 絶対に涙は流さない。 たとえ陰でも。 それは契約。 たったひとしずくでもダメ。 これが、私の小さな小さなプライドを守るための鎧。 世界は理不尽だ。 本当の事を言ってくれと言われて、本当のことを言っただけなのに、答えてはくれない。 どこまでが本当の事なのかはっきりしていない。 どうやら、この世界において「本当の事」と「真実」は意味を同じくして全く違うもののようだ。 真実は常に正しい。 でも、本当の事は常に正しいとは限らない。 真実にとっては間違いでも、相手にとっては本当の事なのだ。 私は真実が好きだ。 真実は私に降りかかる「本当の事」という間違いを跳ね除けてくれる。 私に正しいことを教えてくれる。 それがまさに、「正論」である。 私の正論は嫌われる。 私はただ間違っていることに対して真実を述べただけだ。 だが、相手には都合が悪い事のようで、嫌な顔をされる。 世の中は真実で構成されている。 そこに机があるという真実、ここに自分がいるという真実。 それに間違いはない。 私は、世界という名の完全な真実に、理不尽にも間違いという揺らぎを入れたくないだけだ。 理不尽な間違いは世界にとっては汚れのようなものだ。 完全なんて存在しないというかもしれないが、目指すことはできる。 完全をただ追い求めた挙げ句の果てに私は感情で正論を述べているだけだ。 それが否定された時の憂いはとてつもない。 世界にとって都合が悪い事はつまり私の涙だ。 だから押し込めなくてはならない。 私の、たったひとしずくの契約のために。
みんなの答え
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すごい…
ハロー、りーだよっ! なんか…すごいねっ ほんとにすごい!(語彙力ゼロでごめん) ふわふわさん、天才!! 題名がすごく良かった! 読んでくれてありがとう!バイバイっ