愛して愛して愛して
灯りひとつない住宅街を1人で歩いていると、世界にたった1人みたいで、あの日のことが思い出されて、泣きたくなる。 … 「健くん、会いたいね」 『会いたいね。わぁぁなんか照れくさ』 DMでメッセージを送り合いニヤニヤする深夜2時。会ったこともないし付き合ってすらないけど、雰囲気で両思いなのが分かる、心地よい関係。 「会いに行っちゃおっかなー?」 『来ちゃえ!笑』 そう言ったからだよ。 … ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、、 真夜中の住宅街、私の押すインターフォンの音だけがよく響く。あぁ、足音が聞こえてきた。やっと会えるね。 ガチャ [え、誰ですか?] 中から出てきたのは女だった。健くんは一人暮らしだよね?誰って、こっちが言いたいんだけど。 『おーい絵里?誰だったー?』 奥から聞こえてきたのは、通話で聞き慣れた健くんの声。 「ねえ、健くんなんだよね?!私だよ私!!会いたいから会いに来ちゃったよ!!ねえ、健くん!」 次第に、恐る恐る健くんが来た。やっぱり、思い描いてた通りのイケメンだ。 「こっちに来て!愛してるの。早く抱き締めて欲しいの。ねえ!」 『…なんで住所知ってんだよ。特定?怖すぎだろ…帰れ、帰ってくれ!!!』 帰れ???????どういうことなの。会いたいって言ってたじゃん。嘘だったの?好きだよ。ねえ大好きだよ健くん。 そう言いたかったけど、声が出なかった。バタンと強く閉められたドアの向こうで話してる声が聞こえる。 [祐也、なにあの人。健くん健くんって…] 『DMで話してた子だと思う。ほら、この前言ってたさ』 [あぁ、執拗いから適当に返してた子?怖すぎるでしょ、警察呼ぶ?] 分からない。訳分からない。警察?私たち、言わずもがな愛し合ってたふたりじゃないの?怖い、怖い、怖い、辛い、、 私は走ってその場を立ち去った。走りながら色々思った。 あの女は恋人なんだ。 健くん、本当は私のこと厄介な女だと思ってたんだ。 健くん、本当は祐也って名前だったんだ。 私、愛されてなかったんだ。 雨が降ってきた。冷たい雨。心に刺さる。私は泣き叫んだ。一方的な愛の暴走で、大好きな人に怖がられて、嫌われて…愛されない私って何の価値があるんだろう。ただ、愛されたかっただけなの。 … はぁ、と浅いため息をつく。やっぱり、思い出して泣いてしまった。辛くてたまらなかった3ヶ月前。でももう辛くないよ。過去の話だよ。 だって、私には翔真くんがいるんだもん。辛い時に寄り添ってくれた、優しい人。 現在深夜1時、曇のち雨予報だけど、翔真くんのお家に行くんだから天気なんて関係ないよね。色々思い出したせいで少し重くなってた足取りも、翔真くんを想うと軽くなる。まだ顔も知らない愛しの翔真くん。サプライズ訪問、喜んでくれるかな?ストーリーのスクショ並べてたら、家なんてすぐに分かっちゃったよ。待っててね翔真くん! もうすぐ会えるよ。
みんなの答え
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面白かったです!
この手の雰囲気、好きです…!! 最初は相手の人が酷い人なのかと思ってましたが、読み進めると主人公の方がやばいことが分かっていってゾワゾワしました 完全に無自覚なのもゾクッとする反面、なんとなく切なくなります……チャイムを連打してるところからも狂った愛が感じられてすごいです!! とても楽しんで読ませていただきました!面白かったです!!
こういうの好き
この雰囲気好きです 楽しくお読みしました(*^▽^*) 気が向いたらこういうのをまた創って欲しいです…!