冷たい優しさ
『マスター…?マスターっ!』 どうしよう… 呼びかけても反応してくれない… 助けを呼ぶ…?でも、誰に… 姿を見られてはいけないのに…、 どうしよう…私っ、どうしたら… マスター、起きてマスター、お願い 誰か助けてっ… 私達が出会ったのはとある小さな店。 ここは、特別な人しかこれない店。 マスターは、特別な人だった。 店にいた私を見て、マスターは言った。 『このこが欲しい』と、 私は人ではない。ロボットでもない。 幽霊でもない。謎な生命体。 見た目は人そのもの。言葉も話せる。 けど、人じゃない。 私の姿は知られてはいけない。 だから、外には行けない。 それでもマスターは、私を選んだ。 マスターに会ってから、私は幸せだった 不幸は突然やってくる。 マスターの口癖だった。 実際、その通りで。 ある日、マスターは倒れた。 いつも通り、1人本を読んでいた。 突然、大きな物音がして。 見ると、倒れたマスターがいた。 血の気がひくのがわかった。 結局、マスターは帰らぬ人となった。 助けられなかった。マスターのこと。 私が、普通の人だったら。…助けられた? 私が…私が…私が…私が…私が…私が…私が… 私が…私が…私が…私が…私が…私が…私が… 私が…私が…私が…私が…私が…私が…私が… 私が…私が…私が…私が…私が…私が…私が… 私が、マスターを殺したんだ 私、覚えてます あの日のマスターのこと 優しい微笑みをくれたこと、 優しく、手を握ってくれたこと、 苦しいとき、側にいてくれたこと、 何もなかった私に、笑顔をくれたこと、 いつも、いつも… 『愛してる』といってくれたこと、 私、覚えてます。 覚えてます…ずっと…ずっと…ずっと… だから、だから… 私は死ねない。マスターと違って、 だからこそ、苦しい。 もう二度と、マスターに会えない それが、ただただ苦しい。 マスター、どうして、 どうして貴方は、そんなにも 『冷たい人なんですか?』