短編小説みんなの答え:1

天使であるという事

僕は特別な存在 神の使者をしている、いわゆる天使 といっても僕はまだ子供で仕事とかはあまりない、だからいつも暇なんだ 僕達天使には仕事の時以外に人と関わっちゃいけない、そういう決まりがある けど、少し人と話してみたいな、少しくらいいいよね… そう思いながら病院の中を飛びまわっていた 普通の人に僕は見えないんだよね…だれかいないかな見える人 その人と話して友達にでもなれたら素敵なんだけど 「わー!翼生えてる綺麗だねえ」 声の方を向くと、僕とおんなじ年くらいの女の子が立っていた どうやらこの子は見えるらしく、 色々話してみた 名前は久遠(くおん)と言うらしい、病気もほとんど治っていて、あと1ヶ月後もすれば退院するらしかった 人と会話出来た事が嬉しくてたくさん話した 友達になろうと言うと、いいよと言ってくれた 久遠と僕は友達になったんだ 明日も会おうねと言ってくれた ――ああ、明日が待ち遠しいな それから久遠とは数え切れないくらいにたくさん遊んだ これからもずっとずっと一緒にいたいな この可愛い笑顔をいつまでも隣で見ていたい いつの日からか僕は久遠と会うことだけを楽しみにしていた 久遠と会ってから1ヶ月経った 久遠の病状が悪化してきた 顔色が悪い笑顔も減ってきた、心配だな… 久遠の病室まで歩いているとお医者さんの話し声が聞こえた 「今頃は退院できたはずなのに、どうしてこんなに悪化しているんだ?」 「心配だね、死神でもいるんじゃないか?」 「縁起でも無い事言うなよ、ここは病院で俺達は医者なんだぞ!」 死神…か 久遠…大丈夫かな、少し急ごう 病室に入ると久遠はもう寝ていた でも苦しそうでずっと唸っていた、腕には会ったときは無かったはずの管がいくつもついていた ―――死神でもいるんじゃないか? 天使は久遠の頭を優しく撫でて微笑んだ 「今までありがとう、久遠…じゃあね」 真っ白な美しい翼を広げ、窓から飛び立った 満月が綺麗な夜だった それから一週間後 久遠は元気になっていった、お医者さんも母親も喜んでいた 「あの症状が嘘のように無くなっています、もう心配無いですよ」 「本当ですか?!ああ、よかったわ…本当に…」 「うん、よかったねえお母さん」 「元気になってよかったね」 聞こえるはずもない天界から天使はそう呟いた こんな苦しい思いをするなら…あの子と会わないままの方がよかったな… もう、こんな思いはしたくない…僕にこの役割は重すぎる 天使は天界の雲の上から落ちた 天使はおちていく中で自分の翼から抜け落ちる少し黒くなった羽を見つめ、目を閉じた これでよかったんだ…これで 堕ちた天使の目に涙が浮かんだ

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