花言葉は本音を話す。
「柳さん、起きて下さい」 ゆさゆさと身体を揺さぶられ、柳は仕方無しに起き上がる。おはようございます、と柳を起こした人物がニコニコしながらそう言った。 「……おはござます、朧さ……」 眠気が勝っているのか目を瞑りながら返事をする。そんな様子は日常茶飯事なのだろう、朧は櫛を手に取り、痛まない様に優しい手付きで柳の髪を梳かし始めた。深緑の髪に黄色の櫛は良く通り、数分もしないうちに寝起きとは思えない程さらさらになった。 「ありゃと……」 「はいはい、寝惚けてないで朝御飯食べましょうね」 無理矢理床に立たされ、おぼつかない足取りで一階のリビングへと向かって行く。テーブルには朝食と飲みかけの珈琲が置かれており、朧が今日はアナタが好きな目玉焼きにしましたと言うと、さっきまで寝惚けていたのが嘘の様に元気になり、早く食べたい! と目をキラキラさせながら一直線に席についた。まるで子供の様だ、朧はそう思いながら自身も席につく。 「あ、ねぇ」 「朧さん醤油取って、でしょう? どうぞ」 「え……何で分かったんです!?」 朧は少し間を開けて長年の感ですよ、と微笑みを向けた。その微笑みは朧がいつも見せる笑みで、いつも通りだなぁと柳は思った。ふと窓の方へ目をやると見慣れない花瓶がそこにあった。 「あれは……?」 「嗚呼、淡いラベンダーの花は碇草と言って昨日買ってきたのです……綺麗でしょう」 そう朧はまた笑いかけた。 やがて珈琲を飲み終えたのか、もうそろそろ仕事に行って来ますねと言って柳の頭を撫で、出て行ってしまった。柳は朝食をやっと食べ終えると、スマホを片手に花の名前を調べ始めた。 「……なるほどね」 離れる事なんて無いのに、溜め息混じりでそう言い立ち上がって、玄関ドアを開け外に出る。十数分程して目当ての花を見つけられたのか、コップを取り出し水を入れた後、先程買ってきた紫と白の花も入れ、花瓶の隣に置いた。 「蝦夷菊……あって良かった」 柳が見つめる二つの花瓶は、窓から差し込む光に照らされていた。(終) 初の投稿&二日の低クオで誤字あったらすみません…花言葉を調べたら何となーく分かるかと……(-。-; 文字数ギリギリまで書いちゃってだいぶ端折った…作れたらまた投下します。感想頂くと泣いて大喜びします。 (碇草はイカリソウ、蝦夷菊はエゾギクと読みます)
みんなの答え
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素晴らしい!
こんにちは、霜月さん! パン粉です。 花言葉を題材にした小説...おしゃれでいいですね! 心情描写も上手です。 二人の仲の良さが伺えますね。 ネーミングも素敵です! 僕も、小説書いてはみたのですが、 霜月さんのようにうまくは行きません(^o^;) 次の物語も楽しみにしています!