【短編小説】生きてゆく
1 「息苦しいなぁ」 青い空が澄み渡る屋上、私は一人呟く。 『苦しい』いつかそう感じるようになった。 大した理由があるわけじゃないし、悩みを抱えている訳でもない。 でも…やっぱり苦しい。 理不尽な大人の意見や、どうしようもない自分の未熟さ。 しょうがないとわかっていてもこんな思いで溢れかえって息苦しくなる。 「こんな世界、海みたい…w」 情けなく笑った私の声など誰にも届かない。 誰かにこの想いが届いてほしいというのは単なる承認欲求なのだろうか。それとも「助け」なのだろうか… ああ、今日も一人情けない世界で涙する。 2 夢なんて持ったことのない人生。 いつものようにイヤフォンをつけて青い空の下、屋上のベンチに座る。 『将来不安でしょ?』 『しっかり進路を決めなさい』 そんな大人の勝手な心配がしつこく思える。 「俺だってやりたいことあるのに…w」 悔しさや情けなさで涙が出てくる。 自分の言いたいことをはっきりと言い出せないこの世界はまるで海のようだ。 「こんな世界、海みたい…w」 「え…?」 背後から俺の心情を悟ったかのような声が聞こえる。 3 「泣いてるの?」 俺は聴く 「君もでしょ?」 私は言う 「この世界は海みたいだってね」 海のように広く青く澄み渡る空を見る。 でも今は不安じゃない。 誰しも悩んで苦しんでもがいて、それでも生きてるってわかったから。 本当にこの世界が海になるなら、それは私達人間に悩みが一つもなくなってからだ。 それまではこの世界の果てまで悩んで苦しんで泣いて、笑って…わたしたちは生きていく。 閲覧ありがとうございます。 感想、考察等書いていただけると嬉しいです。