初恋。
ふわっと淡い風が吹く。 私、早崎舞衣。 今日は中学の入学式。 軽い足取りで歩く、その通学路にはたくさんの桜が舞い散っていた。 「綺麗…」 つぶやきながらぼーっと桜を見ていると。 「まーい!何ぼーっとしてんの?初日早々、遅刻しちゃうよ?」 からかうように話しかけてきたのは、甘野凪紗。 私の小学時代からの、親友だ。 友達がいない私にとって、唯一頼れるのは親友の凪紗だけだった。 「ごめんごめん。綺麗だなあと思って見てたの。」 やっぱり、私、春って大好き。 桜が舞い散る瞬間が特に。 ーーーーーーーーーー 「まい!こっちこっち!」 そのまま一緒に学校に着いた私たちは、まず1番にクラス表を見に行くことにした。 「な、なぎさ!ちょっと待ってよ…」 うちの学校は3クラスある。 1組、2組、3組。 正直これが一番心配していたこと。 私たちは小学校6年間、一度もクラスが離れたことがないから。 心配でたまらなかった。 「えーと?1組、早崎舞衣…早崎…」 「あっ、あった、1組に。」 えっ…? それを聞いて、私は慌てて1組の早崎を探し回った。 でも名前はどこにもない。 つまり、クラスが別れちゃったってこと…? 「まい、あったよ!3組に。」 その言葉と同時に3組のクラス表に目を向ける。 あった。 早崎舞衣。 さーっと血の気が引いてく。 「あ、私もう1組行っとくね!また放課後!」 「あっ、なぎさ…」 声をかけたけどもうなぎさは居ない。 「はぁぁ…」 私も3組に行くしかないか… 憂鬱な気持ちになりつつ、なんとかなることを祈る。 いつまでも、なぎさにたよってばかりじゃいられないことは分かってたつもりだった。 でも、いざとなると不安に覆われてしまう。 ーーーーーーーーーー 考えているうちに、3組の教室の前についていた。 「ふぅぅ…」 深呼吸をして教室に入る。 何人かが教室いる中、こちらを向いたのは数人。 いいのか悪いのか。 座席表を見て、自分の席につく。 すると、私が席について、すぐ、男子が入ってきた。 私と同じように座席表を見て、席に座る… って、え!? その男子は、私の隣の席に座った。 まさか、隣の席なんて… 「あ、よろしく!俺、白木湊斗。」 さっと目の前に出てくる手。 これが、私の初恋。