地球滅亡の日に最後の願いを。
~プロローグ~ 私はぼーっとテレビを見ていた。 「緊急ニュースです。明日、巨大小惑星が地球にぶつかり、地球滅亡の日になりそうです。 みなさん、最期のひ何をしたいかお考え下さい。」 テレビアナウンサーが悲しそうな声で言った。 私の名前は桜井渚。(さくらいなぎさ)。小学5年生。明日、私達が住むこの地球になにかがぶつかってうちら死んでしまうみたい。 家族みんな、パニックになって大声を出して泣いている。唯一泣いていないのがわたし。 「なぎ、悲しくないの?私達、死んじゃうんだよ。う、うわーん。」 お姉ちゃん、桜井薫(さくらいかおる)が嗚咽をだしながら大泣きしている。お母さんだって、 「なぎちゃん、いっぱい怒ってごめんね。大好き。」 お父さんだって、 「なぎさ。生まれてきてくれてありがとう。」 と私に『愛』を伝えている。私は、ずっとテレビをながめていたけれど。 ー3時間後。午後7時。 「これで最後の夜ご飯ねぇ。」 お母さんがしみじみと言った。お姉ちゃんは目を真っ赤にさせ 「そんなこと言わないで!」 という。私はずっとだまっていた。だまっていたかった。 最期の夕食。白米。豚汁。ハンバーグ。オレンジゼリー 全部家族の好物だ。でも、なんだか悲しかった。 ー4時間後。午後10時。 私は、いつも通りねることにしようと思ったけど、お姉ちゃんが 「最期の日位、夜ふかししようよ。」 と無理やりわたしの部屋から連れ出した。 2時間ぐらい映画をお姉ちゃんと見たけどあまり楽しくなかった。何より名前は、「地球滅亡ロードショー!お元気ですか。」という キャッチコピー。うれしくなかった。ねむかったし、なにより幸せではなかった。 ー12月15日。「地球滅亡日」 朝8時。 いつも通りの「おはよう」を言うはずだった。でも、言えなかった。お父さんがつけていたテレビから大きな音がして。ふりむくと・・ 「地球滅亡まであと9時間35分23秒。」と大きく書かれた文字があった。 「ちょっと、お父さん。他のやつにできないの?」 「これしかできないんだ。」 「じゃあ、消して!」 お姉ちゃんは、ヒステリックになってしまった。おとうさんは、悲しい顔をして自分の部屋にもどっていった。 ー2時間後。 午前10時。地球滅亡まであと7時間35ふん23秒。 「ねえ、なぎさ。」 ふりむくと、思い切りおしゃれに着かざったお母さんがいた。 「もし、『奇跡』がおきて死ななかったら、どう?」 ちょっと悲しそうだった。 「なんとも。」 私は、階段をかけあがって自分の部屋に行った。 ー5時間後。 午後3時。 地球滅亡まであと2時間35分23秒。 みんなの気持ちは完全にしずんでいた。目に光る大粒のしずくを流しながら。 私は時計を見た。3時25分23びょ・・・・。 「止まってる!?」 そのしゅん間、紫色のかみの毛ととんがった大きな帽子をかぶった女の子がやってきた。 「おめでとうございまーす!桜井渚さん、願いを1つかなえられます!さあ、願いは?」 「は・・・・?」 「は・・・・?が願いですか?」 「ちがいます。」 「あ、こんちゃ!レミで~す!でも、渚さん。ここでの願いは決まっているでしょう。私は、魔女界にもどれば助かりますが他のこの全人口を救う方法は!?」 「あなたに、小惑星をこわしてくださいとたのめ、ってわけですか?」 「はいっ!」 私は、数秒だまっていた。そして、言った。 「もう少し考えさせてください。」 「分かりました!でも、地球滅亡の1時間前には決めておいてくださいね。私が魔女界に行けないので。」 (どこまで自己中なんだ、この魔女。) レミは消えて、時計は動き出した。 ー1時間35分後。 午後4時25分23秒。 地球滅亡まであと1時間。 午後4時25分23秒。予想通り時計は止まり、自こ中魔女レミが現れた。 あの悲しかった理由。夜ふかしをして幸せじゃなかった自分。何かの理由をようやく見つけた。何かが足りないんじゃなくて・・・・ 「さあ、約束の時間です。渚さん。願い事は?」 「わたしの願いは・・・・」 ~エピローグ~ 『地球滅亡まであと5分。4分59秒、58秒。・・・』 重い声が鳴りひびいた。家族全員半泣きだ。わたしをのぞいて、ね。 その時、お父さんも、お母さんも、お姉ちゃんも「はっ!」とした顔になった。 「な・・渚・・・・。」 私が送ったメッセージ、伝わった? 「渚。大好き。生まれてきてくれてありがとう。」 お母さんも、お父さんも、お姉ちゃんも私に抱きついてきた。 「わたしも大好き。お母さん。お父さん。お姉ちゃん。」 しずくを一つ、二つこぼした。 「バイバイ。」 あんなに顔が重かった世界は笑顔になって・・・ 地球はくずれた。 ”着かざんなくていい。「いつも通り」が一番幸せだよ。桜井渚”