短編小説みんなの答え:3

さよなら、片思い。

なんで泣いてんのよ、片思いのくせに。 今まで勇気なんて出せなかったくせに。 そう思っても私の荒くなった呼吸 は止まらない。 こんなところで泣かなきゃ よかった。 トイレなんかじゃ誰かに 聞かれるかもしれないのに。 そうやって冷静に考えてみたが、 私の頭はごちゃごちゃと まとまらないばっかりだ。 私の好きな人が付き合った。 それもクラス全員の目の前で。 告白したのは彼じゃなかったが、 彼は顔を真っ赤にして喜んだ 彼に告白した子も、喜んでた なのに私は何してんだろ。 教室に突っ立てるだけで トイレに引きこもってるだけで。 「マジで私、あいつのこと好きだったんかな……」 自分を励ますようにそう 呟いてみたが、涙は止まらない。 その度に悔しさが込み上げてくる。 何もしないで、私は…… 私、何やってんだろ。 私はトイレを出て、 彼がいるはずの通学路を 疾(はし)った。 肌にあたる冷たい風が 髪を通り抜けていく。 その風に流した涙が 乾かされてゆく。 やっと見えたのは、 ずっと追いかけてきた 高い背中と楽しそうにセーラー服 を揺らす後ろ姿。 足音に気づいた彼が振り向く。 「あの……私…!」 息が切れる。次の言葉が、 私の恋の幕を閉める。 「あなたのことが、 ずっと前から好きでした。」 はは、私、最低だ。 彼女の前でこんなこと言うなんて。 だけど満足しているこの気持ちは、 きっと今までの片思いを 受け入れることができた 証なんだろう。 私は「お幸せに」と捨て台詞付きで 彼らに背中を向けて 家までかけて行った。 よし、今日はいっぱい泣くぞ 私の終わった恋の祝福に。 【end】

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