短編小説みんなの答え:4

二人だけの呪い

たくさんある世界の中の一つの世界。 ここに住む人々は皆 永遠の命を持った人達だ。 少女「んーー!!もう!!お菓子全然売れないじゃない!」 ここは街外れの小さなお菓子屋さん。 今日も少女が作ったお菓子は一つも売れないようだ。 少女「しょうがない、街の方まで売りに行こっかな」 街に着き私は道の端に立ってお菓子を売り始めた。 少女「クッキーいかがですかー?甘くて美味しいですよー!」 すると少女は大きな男の人にわざとらしくぶつかられた。 少女「痛ッ…」 男の人は何もなかったように行ってしまった。 床にはさっきまでカゴに入れていたクッキーが散乱してしまっている。 少女「…。なんでみんなこんな事するの、クッキー、美味しくできたのに…」 街行く人は皆少女なんて知らぬふり、少女を蔑む人もいる。 少女「私は、みんなと何も変わらないのに…」 昔、お母さんが言っていた。私は生まれたときから呪われているのだと、この永遠の命を持った人々の中で私だけは永遠に生きられない。そんな私の作った物を食べると自分も呪われてしまうのだとか… 死んだ世界で、私だけ生きてるみたいだ。 少女「自信作だったのにな、はぁ…帰ろ。」 少女は小さくつぶやいた。 その時、少年が近づいてきて落ちていたクッキーを拾い上げパクリと食一口。 少女「え…?」 少年「なーんだ、すっごく美味しいじゃん!」 そんな少年の言葉で心は溢れた。 キョトンとしていると少年が手を差し伸べてきた。 少年「立てる?大丈夫?」 なんで、呪われている私にこんなに優しくしてくれるのだろうか… あぁ、わかった 私が今、呪いをかけたからだ。 それから少女は少年にお菓子を作るようになった。 こんなこと初めてだった、少女のお菓子を美味しそうに食べる人なんて、いないと思っていた。 例え明日死んだとしても、今が大切な思い出になるのならそれでいい。 そしてその時は来た。 少女と少年は寿命が尽きてしまった。だが二人は死ぬ直前まで幸せだった。 死んだ世界で二人だけが幸せだった。 きっと呪われているのは永遠の命を持った人達のほうだ。だって二人はこんなにも幸せだった、少女は呪いが解けていて、その少女のお菓子を食べたから少年の呪いも解けた。 二人は呪いにかかっていたんじゃない、解き放たれていたんだ。

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