短編小説みんなの答え:3

幸せ

「ねえねえ、幸せって何だと思う?」「え…。」私が聞くと友達はぽかんとしていた。 「何その難しい質問。答えなくちゃダメ?」「いや、別に…気になっただけ。」友達はめんどくさそう。でも、気になる。人はいつの時代も幸せの意味を追い求めてきた。その疑問は人間の生存本能の一つなのだろう。幸せの意味を考え、夢を見ることで人は生きていけるんだと思う。でも、幸せっていうのは―「人によって違うんじゃない?感じ方が」   え。    まるで心の中を見透かされたよう。見事に友達は私の心の続きを言い当てた。いや、そんなつもりなかったのかもだけど。「まあ…確かに…」「ん?何?」  「え、ううん、何でもない…。」こんな難しい質問、友達にするものじゃないのかも。でも、友達の答えは正論だった。人によって基準が違う。 「・・・じゃあ、あんたの幸せって何なの?」友達がじっとわたしを見つめる。「え…えっとね…家…でのことかな…。」 「そっか…って、え~!!私といるときじゃないの!?」私は呆然としてた。友達がそういうことを言うのは珍しいかもな。「違うよ。あんま幸せではない。」「ひっど~いぃ~」そんな会話をしながら、私はまだ幸せの意味を考えていた。 「ただいまー」家に帰ると留守だった。鍵がかかってなかったので、相変わらず無防備だ。  足早に自分の部屋へ向かう。鍵を解除し、中へ入る。   ―ああ、やっぱりこの子はいつ眺めてもいとおしい。これが幸せ…?   うん、きっとそう。幸せは自分で見つけるべき。私もやっと、長い月日を経て手に入れた。 「ふふ、だーいすき。」私の抱きしめるその子はもう冷たくて返事をしないけど、それでもいい。だって、自分の手で手に入れた、たった一つの幸せだもの。これは誰にも渡さない。     ああ、幸せだなあ― あなたにとっての幸せは、なあに?

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