告げ口魔、私は君がキライです
私のクラスにはとんでもない告げ口魔がいる。 私は奏美(かなみ)。 私には彼氏がいる。名前は律(りつ)。 彼氏のことはいったん置いておくとして、今からあるクラスメートを紹介する。 名前は紬(つむぎ)。 紬はとんでもない告げ口魔だ。 誰かが紬の肩にぶつかっただけで先生に告げ口する。 誰かと喧嘩しても、「私は何もしてないのに◯◯くんが殴ってきたんです」と被害者面する。 そんな告げ口魔の紬のことが、私はキライだ。 今日私が、教室に飾ってある絵を眺めていると、 紬がやってきて、 「ひどい、奏美!!それ、私が今見ようと思ってたのに、独り占めしてるぅ」と言った。 私はただ眺めていただけだし、紬が入れるスペースは充分にある。 なのに紬は、私を理不尽に責めて、また告げ口をした。 ――告げ口されるの、何回目だろうか・・・・。 何度も何度も告げ口されて、何度も何度も先生に叱られて。 私が悪いんじゃないのに。紬が悪いのに。 私はこの瞬間、紬を殺したいくらいにキライになった。 ――放課後、私は屋上に紬を呼び出した。 私の右手には、ナイフが握りしめられている。 「どうしたの奏美、何か用?」 紬が屋上に来て、私に問いかけた。 私は答える。 「うん、紬にサプライズしようと思って・・・・仕返しを!!!」 私は勢いよく、紬の体にナイフを突き刺した。 「うぐっ・・・」 紬は、激痛に耐えられずに悲鳴を上げ、その場に倒れこんだ。 私は紬のもとまで駆け寄り、伝えたかったことを伝える。 「私は悪くない。全部、紬が悪いんだよ!!」 すると紬が、小さな声を振り絞って呟いた。 「神様・・・・奏美が・・・・私を、殺し、ました・・・・・・私は、悪く、ない・・・・・」 怒りがこみあげてきて、私は思わず叫ぶ。 「こんなときまで告げ口するなんて!紬なんて大嫌い!!!」 すると背後に人の気配がした。 振り返ると、律がいた。 「律・・・・」と私が言う。しまった、殺人がばれた、と思ったからだ。 律は私を睨んで言った。 「たしかに紬はひどい告げ口魔だ。だけど、お前が今やった殺人の方が、何百倍も重罪だよ」 その言葉を合図にしたかのように私は、その場に泣き崩れた。