短編小説みんなの答え:4

初デートの、この場所で。

初デートの日も、ここに来てたよね――。 私は由愛(ゆあ)、高校3年生だ。 去年から付き合い始めた怜雄(れお)くんという彼氏に誘われて、 今日は洋食レストランに行くことになっている。 (怜雄くんとレストランに行くの、久しぶりだなぁ・・・・) 最近は部活で忙しかったため、あまりデートなどはできていなかった。 だから、久しぶりに2人で出かけられるのが、私にとってはものすごく幸せです! 待ち合わせ場所のところまで行くと、怜雄くんが先に来ていた。 「ごめん、待たせちゃった?」と私が慌てて聞くと、 「大丈夫だよ」と怜雄くんが返してくれる。 こういう優しいところに、私は惚れたんだっけね。 「じゃあ、行こっか!」「うん」 私たちは、レストランへ歩き出した――。 洋食レストランにつくと、怜雄くんは、 店員さんに「予約をしたんですけど・・・・」と言っていた。 (怜雄くん、わざわざ予約してくれたんだ・・・・) 嬉しくて顔が熱くなる。 席に着き、メニューを選ぶ。 「私はミートボールパスタで」「じゃあ僕もそれで」 お互いに同じメニューを頼み、料理が来るまで、2人で他愛のない会話を交わした。 「そういえば、初デートの日も、ここに来てたよね」 私が言う。 「うん。席もここだったよね。初デートの日も、今日と同じ日付だよ」 怜雄くんが柔らかい笑顔を向けて言った。 (あ、そっか。去年のこの日に、初デートとしてこのレストランに来たんだった――) 考えていたら、料理が届いてきた。 作りたてのミートボールパスタを食べていると、 怜雄くんが急に改まった表情になった。 「由愛」と言われ、私は「何?」と聞く。 その次に怜雄くんが言った言葉は、衝撃的だった。 「別れない?」 私は凍り付いてしまう。そんな私を気にも留めないで、怜雄くんは続ける。 「部活でお互い忙しいから、別れてさ、別々に過ごした方がいいと思うんだ」 私は別れたくなかった。だけど、怜雄くんは別れたいのかな、と思い、 「別れよう・・・」と呟いてしまう。 そうして、私たちは別れた。 初デートの日もここに来て、別れた時もここに来た。 一生忘れられない、この場所。

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