永遠の愛をこの花に誓って
「昨日…みなさんの大切な仲間である成宮星羅さんが…交通事故で亡くなりました。」 一瞬、僕の目の前にいる人間が何を言っているのかよく分からなかった。 だって、成宮はいつもと同じように僕の隣の席に座っているから。 なのにクラスの奴らは何も言わなかった。 ただ、「信じられない」という表情をして黙りこくっている。 そんなときに成宮は僕の方を見て、目が合うとふわりと微笑む。 そこにいるじゃんお前。 『君にしか見えてないんだよ。この声も、君にしか聞こえてない。』 は?僕にだけ?どういうこと? 『死んだんだよ。私』 その時ちょうど、HRの終わりを告げるチャイムが鳴る。 みんながぞろぞろと動き出す中、僕だけが唖然として動けない。 「死んだって…じゃあなんでそんなところに…」 『未練があるの。だから成仏できない』 それを聞いて、成仏してほしいようなしてほしくないような、複雑な感情になる。 「ちなみに未練って…」『言わない。秘密』 『そういうこと。これからよろしくね』 何がよろしくなんだよ。 それからというもの、成宮は僕についてくるようになった。 僕以外の人間に見えていないのをいいことに授業中の先生にちょっとしたイタズラをしたり、茶々を入れたり。 でも、そんな非日常はだんだん僕にとっては楽しいものに変わっていった。 ついでに気づいたこともあった。 僕は、成宮のことが好きだ。きっと、成宮が生きていたときから恋愛的な意味で。 死んで幽霊となっても、生きているときと変わらないかそれ以上元気で、僕を笑顔にしてくれる。 『大丈夫?顔怖いよ』 「失礼だな。ちょっと気づいたことがあっただけだよ」 『え?どんなこと?気になる』 「絶対言わない」 『えーなんで。ケチ』 成宮は幽霊だから。この僕の気持ちは絶対に叶わないから 「僕にだって秘密くらいあるんだよ」 『いーじゃん、誰にも言えないんだから。幽霊だし』 「後悔するよ?」 『そんなにくだらないことなの?』 「そういうわけじゃないけど」 『なら聞く。言って』 「…僕は成宮…いや、星羅のことが好き」 あーあ。言っちゃったよ。 これで嫌われたらどうしようと不安になりながらも成宮の方をみると、 泣いていた。 『ほんと?嘘じゃない?』 「こんなときに嘘つくとかただのバカだろ」 『ふふ…嬉しい…』 「は?」 『あー…でもちょっと後悔はしてるかも』 後悔?なんで?やっぱり嫌だった? 『未練…なくなっちゃった』 「え?何で……あ、…星羅の未練って、!?」 星羅がだんだん薄くなっていく。星羅は泣きながら微笑む。 『バレた…笑』 「なんでッ…お前…死んだんだよ…!!」 『…死んじゃったのはごめんね。でも…私も好きだよ。今も、生きてたときも、ずっと。大好き』 『星羅って呼んでくれて嬉しかった。今までありがとう。愛してる』 そう言い残して星羅は消えた。 10年後、僕は星羅のお墓の前にいる。 「いつもありがとうね。きっと星羅も喜んでいるよ」 星羅の母親がそう声をかけてくれる。 星羅が僕の前から消えたあの日から僕は毎日星羅のお墓に行くようになった。 サザンカの花を供えて手を合わせる。 そして、呟く。 「愛してるよ。星羅」 すると、 『目の前にいないのによく言えるね笑。…私も愛してるよ』 そう聞こえた気がした。 (完) サザンカの花言葉…永遠の愛 ーーーーー 書きたいことを詰め込んだらとても長くなってしまいました笑 読んでいただきありがとうございました。