リベンジしていい?
私の朝は、満員電車に乗ることから始まる。 きっつきつで、おじさんたちの汗臭いにおいに包まれながら、キズナン駅で、降り空気を深く吸う 「あ~、全然違うわ。緑のいいにおいがするな~」 一人でそういうと、南口方面に歩き出した。 「お~はよっ!」 あぁ、あさっぱから誰だよ… と思い、後ろを振り返ると、莉奈がいた。莉奈は、クラスの中心的存在で、従わないと…いじめられる。 笑顔を作り、 「おはよ~、」 と短くすまし、早く駅を出ようと思ったところ、 「ね~、利沙数学の単位計算やった?」 これは、「宿題見せてよ」ということだ。 _やってない… 「ごめ~ん、あたしもやってないわ!多分、明日香ならやってると思うよ、あたしトイレ行くね、じゃーね!」 「、そう。わかったわ。じゃぁ。」 といい、別れを果たすと、右ポケットに入った水色の紙を出した。 これは、…昨日竜太君に貰った紙だ。 「明日の朝見といて!今日開けちゃだめだよ?!」 と言われたので、ポケットに入れていたのだ。 読んでみると… 「~利沙へ~ 単刀直入に言うと、俺、利沙の事が好きだ。 もし気持ちが同じなら、明日の休憩時間に中庭に来てくれ。 竜太より」 _え?…なんかの間違いじゃ、ない? あたしこんな陰キャだし、いや、そうでもないな。どっちかって言ったら、陽キャだな。うん。 で、こんなあたしの事、好きになってくれる人いるんだ。 よしっ、中庭に行こう。今日の休憩時間。 挨拶が飛び交う正門で、長い髪をゆらゆらと揺らしながら、大きな足取りで学校へ向かう少女がいた。 「よ~し!このチャンス逃すわけにはいかないな」 「利沙、なんのチャンス?」 「え、竜太k、ち、〇☓◇▽@Mbaog;cふぇ?」 「え、ちょ、大丈夫そう?で、竜太君がどしたん?」 「え、あ、その、ね。竜太君が、勉強教えてほしいって」 「へ~、勉強をチャンスに例えてたの(笑)ま、頑張ってね!」 この女子は、源優里花。竜太君を片思いしている、強気女子だ。 ばれなきゃ、いいけど… ーーーーーーー休憩時間ーーーーーーーーー 「ちょとあたしトイレ行くねー」 「行ってら~、利沙ぁ!」 「うん!いってきまーす」 中庭、中庭… 中庭に着くと、すでにそこには、竜太君がいた。 優里花に嫌われちゃいそうだけど… 勇気を振り絞って、中庭のドアを開けた。 ドアからは、温かい空気が漏れ出てくる。 「あっ、利沙。来てくれたんだ。」 「う、ん。来るでしょ。普通は」 いつもは、なんなく言葉が行き交うのだが、今日は、のどのどこかに何かが言葉を抑えているように言葉がすらすらと出てこない。 「あの、手紙、読んだけど…」 「利沙は…?」 「え?…竜太の事?」 「うん。そう俺の事、好きか嫌いか。」 「あたし、あたし竜太の事…」 好きっ! あれ、言葉に出してないのか…? 「どっち、だよ…」 「えと、えっと、えっと、嫌いっ!もうやだ!」 私の口からは、「嘘」がとっさに出ていた。 やばい…どうしよ…焦って、嘘、出ちゃった…謝ったほうがいいよね?けど、もう嫌いって言っちゃったから… 「そう、なのか…じゃぁ、_」 続きの言葉を聞く前に、私は、走り出していた。 その風に乗って、私の目から出てきた水が、後ろへと飛んでいく。 その後、利沙と竜太は、あいさつも交わさなくなった。 やっぱ、話しかけづらいなぁ… けど、話さなきゃ、来年には、もう会えなくなるのに。 「ねぇ、!竜太君…あの、ちょっと、来てもらえる?」 「えっ、っえ?あ、あぁ、わかった。」 「この前はごめん。もう一度リベンジさせて。あたし、竜太君のことが好き。嫌いなんかじゃないよ。」