忘れん坊な悪魔さん
黯鬼 魔味 (あんき まみ)。私は悪魔だ。急に何言ってんだって思うでしょ?でも、事実だからさ。 角?尻尾?そんなものないよ。あ、でも、その代わりに魔力があるよ。とはいっても、それ以外は特にないかな。 強いて言うなら、人間よりも頭いいし、運動神経もいいしー、、、ま、顔はフツー。 私さ、こう見えてちょっとは強いんだよ? んで、今日は悪魔と天使のお話し合いがあるらしく、ちょっとだけ強い私も、このお話合いに呼ばれてる。 ホントは家でのんびりしてたいんだけど、、、。いい加減、もうそろそろ行かないとかな。 〈話し合い会場〉 悪魔A「おーい、お前が座るとここっちだぞー。」 魔味「あ、そっちか、て、君久しぶりじゃん!」 久しぶりに悪魔の友達にあって話したりとか、天使くんらと簡単な挨拶をした。 もうそろそろ話し合いが始まる時間だ。 大悪魔「それでは、今から話し合いを行わせてもらう。」 大天使「はい。今回の話し合いの内容は、人間界の、、、」 と、話し合いが始まった。 大天使「、、、では、私達天使から、一人ずつ自己紹介を。」 続々と天使たちが自己紹介をしていく。 めちゃくちゃ美形だし、みんな礼儀がしっかりしていた。 ーーーあれ?あの子、見たことない天使だな。にしても、私よりも強くないかあの子。そして、ドタイプなんだが。 ?「初めまして。今回初の出席をさせていただきます。天矢輝羅(てんや きら)と申します。」 隣に座ってる悪魔Aと小さな声で会話をする。 魔味「ね、悪魔Aーあの天使クンさ、、、」 悪魔A「だよな、あれは危険だ。」 魔味「あの天使くん、私よりもやばいよ。」 悪魔A「絶対怒らせるなよ。」 魔味「そんな馬鹿じゃないから大丈夫だよ。」 お隣のめちゃ強い悪魔くんでも怯えてるってことは、相当やばいな。 しかも、あんなに強いはずなのに、『気づけなかった』ってことは、気配も消せるってことだ。私のドタイプな顔しておいてめちゃ怖いな。 そうやって会話をしていることを、殺意のこもった目で例の天使ー天矢くんに見られてるなんて、その頃は一ミリも気づかなかった。 〈話し合い終了後〉 あ゛ー。ようやく終わったぁぁ。 なんとかいい感じになって終わったし何よりだね。んじゃ、帰ろ、、、 天矢「黯鬼さん。」 魔味「!?」 全く気配がしなかったのに、急に後ろから話しかけられた。 しかもなんか怖い雰囲気っていうか、、、なにこれ、私今から殺されんのかな? 魔味「あ、初めましての天使くんだよね。どうかした?」 動揺をなんとか隠しながら、いつもどおりに答える。 天矢「覚えてませんか、、、しょうがない。」 その言葉とともに、私の意識はプツンと途切れてしまった、、、。 〈天矢視点〉 あの子、、、魔味は、とっても忘れん坊なかわいい悪魔。 だから、俺のことも忘れてんだと思う。でも、俺にはそれが耐えられなかった。 俺と魔味の出会いはちょっと昔。 天使と悪魔の話し合いの会があったあの時。駆け出しだった俺に話しかけてくれたのが魔味だった。 それはそれは可愛い笑顔で、『君、才能あるねー。』って俺のことを褒めてくれた。 当時出来損ないと言われていた俺はその一言で救われた。 だから、その後は必死に努力をして、強くなった。 でも、魔味は俺のことを覚えてくれていなくて。 それに、なんだあの隣にいた悪魔。 魔味となにコショコショ話してんだよ。なんで、魔味はあの悪魔と話して、あんな嬉しそうにしてるんだよ。 魔味は俺のものなのに。なんで、なんで、なんで、なんで、! 嫉妬に狂ってしまったのに加えて、魔味から忘れられていたもんだから、つい怒りに任せて攫ってきてしまった。 でも、連れてきたからには仕方ない。 俺がどれだけ魔味のことを愛しているか、たくさん甘やかして、教えてあげればいい。 そして、彼女が目を覚ましたときに、俺は言った。 「おはよう。忘れん坊な悪魔さん。」 〈黯鬼魔味-あんきまみ-〉 悪魔Aのことは、ただの仲いい友達としか思ってない。 実は、天矢を見たときに、『なんか見たことある気がするなぁー。』とは思っていた。 天矢に攫われたときは、最初めちゃくちゃビビっていた。 が、顔がドタイプだったのと、自分のことが大好きだったと知ってから、両思いになり、今では恋人としてうまくやれている。 〈天矢輝羅-てんやきら-〉 悪魔Aと魔味が楽しそうにしてたのが気に食わなかった。 それに加えて忘れられてたショックもあり、怒りに任せて魔味を攫ってしまう。 魔味が自分に怯えてるのを見て、しょうがないと思いつつも、ちょっと悲しかった。 そのため、魔味と両思いになれたと知ったときは、昇天しそうになった。今では恋人として案外うまくやれている。