君に恋をした僕の、結局伝えられなかった思い。
好きです――。 この気持ち、結局伝えられませんでした。 「鈴~ただいまぁ」 凛とした綺麗な声が、僕にただいまと言った。 「おかえり!」と僕が返すと、「今日も部活頑張ったよぉ」と彼女が大きく伸びをして、僕に微笑みかけた。 彼女の名前は凛(りん)。名前の通り、凛としていて可愛い子だ。 彼女は今、中学3年生。 バレー部に入ってるらしくて、「大変だけど頑張ってるよ~!!」と言っていた。 その言葉の通り、凛ちゃんは毎日頑張って練習しているんだ。 そして、僕の名前は鈴(すず)。 僕は、凛ちゃんに片思いをしている。 でも、まだその思いを伝えられていないんだ。 「鈴~ただいまぁ」 「おかえり!」と僕が返す。「今日も部活頑張ったよぉ」と、彼女がお決まりの言葉を言う。 凛ちゃんは、学校帰りには必ず「今日も部活頑張ったよぉ」と言うんだ。 今、彼女は高校2年生。高校生になっても、バレー部は続けている。 そして、今日も僕は彼女に恋をし続けている。 高校生になるにつれ、凛ちゃんはもっと大人っぽくなって、もっと可愛くなった気がする。 僕はますます、凛ちゃんが好きになったんだ。 「鈴~、またね!」 泣き崩れながら、凛ちゃんが僕に別れを告げる。 今日は、凛ちゃんとの別れの日。 別れって言っても、また会えるんだけどね。 凛ちゃんは、自立するんだ。 社会人になって、世の中に飛び立つんだ。 僕は凛ちゃんに「行かないで!!まだ一緒にいたいよぉ」と言うけど、 凛ちゃんは「またね!鈴~!!!」と言うだけで、この家にとどまろうとしない。 凛ちゃんの両親も泣いていたけど、凛ちゃんがとうとう自立できることに喜んでいた。 僕がいくら「待って!!」って言っても、凛ちゃんには届かない。 待って、行かないで、まだ伝えられてないのに、『好き』って――。 彼女には、もうあまり会えない。 だから、心の中で彼女に告白した。 ――僕は、人間の凛ちゃんがずっと好きでした。今でも、君が大好きです。 僕は、猫でした。凛ちゃんに飼われていた猫でした。 僕は、寿命が来るまで、人間である凛ちゃんにずっと恋をしていました――。 猫である僕が、人である君に、恋をします。