ラムネを飲んだあの夏で。
「ねえ、ラムネ奢ってよー!」 「えー、しゃあねーな。まあいいよ」 そう言いつつ律は駄菓子屋へと入って行った。 しばらくして、駄菓子屋ののれんをくぐった律はラムネを2本手に持っていた。 「はい、これは瀬奈の分ね」 そう言って私の前にラムネを出す。 私は律の手からラムネを受け取った。 ビー玉をラムネの中に落とす。 そしてやっと一口飲んでみる。 「わぁー!シュワシュワして気持ちいい!」 と律に話しかける。 「そうだな。本当に美味しい。」 私と律は幼馴染。 私はずっと小さかった頃に父親が亡くなっており、母親は仕事が忙しく、兄弟もいなかったため、ひとりだった私と律はよく一緒に遊んでくれた。 遊び疲れて喉が乾くとお母さんが用意していてくれていたラムネを飲んだ。 私と律って本当に幼馴染なのかな。なんて考えてみる。 ただの幼馴染、少し仲がいいだけ…そう思っていたんだ。ずっと。 でも違う、私は…私は、 律のことが好きだ。 気づけばいつも頭の中には律がいて、会いたいなって願ってた。 綺麗なものを見かけば律にも見せたいな、って真っ先に浮かんだ。 幼馴染じゃなくて、律の好きな人になりたい。律の一番大事な人になりたい。そう思っていた。 「そろそろ別のところいかな…」 「ちょっと待って!」 「伝えたいことがあるの。あのね、 私、ずっと律のことが好きでした!気づいた ら頭の中に浮かぶ人でした。 付き合ってください!律の一番大事な人になりたいです。」 私の白いワンピースの裾がそよ風で揺れる。 それと同時にどこからか風鈴の音が聞こえる。 「ありがとう。瀬奈がそんな風に思ってくれてたとは思わなかった。」 「ただ、付き合えないんだ。俺には他に好きな人がいるから。 それに瀬奈はこれからもっと俺なんかより素敵な人と出会うと思うから。 だから俺らは…幼馴染のままでいよう?」 「そっか。急にごめんね。これからも幼馴染として仲良くしてね。今日はもう帰ることにするよ。またね。」 「ちょっ、待って…瀬奈!」 この声は瀬奈には届かなかった。 「はあ。何で俺、こんなことしてんだろ。 俺だって瀬奈が好きだったのに。」 「でもどうしても、俺では幸せにしてやれないって思ったんだ。瀬奈、ごめん。嘘ついて…」 そう呟きながら律はラムネのビー玉を見つめる。 「綺麗だな。まるで瀬奈みたいだ。」 そんな言葉が溢れる。 「はあ。私、振られちゃった。あんなに好きなのに届かなかったな。」 帰り道、そう呟きながら歩く。 「さよなら、初恋。」 さっき飲み干したラムネの瓶に、小さな雫がポツポツと落ちる。 二人の恋はラムネのビー玉のように綺麗で儚かった。 ------ こんにちは!にんじんぽたーじゅです! こーんぽたーじゅから改名しました~ 今回のどうでしたでしょうか?? ぜひ感想ください~!!