紅葉
俺は栗原純希(くりはらじゅんき)。 俺の好きなやつは、、、 「あははっ」 隣でおかしそうに笑っている松井歩(まついあゆ)。 俺はこいつの笑顔が大好きだ。ずっと守ってやりたいと思う。 だからきょうもこうして、一発ギャグやモノマネをしている。 「じゃあ次は佐々センのモノマネしてやるよ。」 「やって、やって!」 信号が、青に変わった。 「ちょっとチャイムなったんだから席につきなさい!」 「あははっ、似てる!」 信号の青がチカチカと光った。 「じゃあ、次はー」 キキィィィィィィィィィィーーーードンッ! 車のブレーキ音と、鈍い衝突音が聞こえた。 「なあ、歩、近くで事故がでもあったのかなー」 そう聞こうと思った。 ー歩が、いない。ー 嫌な予感がした。いやいや、そんなわけない、と思い、振り向いた。 その予感は、適中してしまった。 脳に障害が残っている。 それが医師による診断の結果だった。 事故のとき歩と一緒だった、ということで、歩の両親に泣きながら責められた。 どうして歩が。あんなに優しい歩が、なんで、なんで、なんで、なんで、なんで、なんでー 悔やんでも、もう過去には戻れなかった。 いやいや、悔やんでもしょうがないと思い、俺は歩のお見舞いにいくことにした。 歩に謝ろう。ごめん、俺が悪いんだ。だから、一発ギャグしまーす。こうすれば歩は笑ってくれる。と思っていた。 あまかった。 病室にいる歩の状態は思ったより悪く、起きてはいるものの、顔色が悪く、ずっと天井ばかり見つめている。 いやいや、ここはめげずに一発ギャグしよう。と思い、俺は、一発ギャグをした。 歩は、笑わなかった。 だけど、俺はめげずに、毎日毎日毎日毎日、一発ギャグをした。頑張った。 1日3時間はネタを考えた。歩が笑ってくれると信じて。 けど歩は、決して笑わなかった。 「もう歩さんは、生きるのが難しいと思われます。すいませんが、家族や友人方と、最後の時間を過ごしてください。」 医者は、確かにそう言った。 今日は、歩と水族館へ行く。歩の両親にお願いして、一緒に過ごす最後の時間を、作ってもらった。 いろんな魚をみて、たくさん喋った。けど歩は一度も笑わなかった。 帰る時間になった。 今日が最後かも知れない。そう思い、ネタをとっさに考えた。割り算さえろくに解けない頭で。 「歩と遊べて、嬉シイタケ!」 、、、 正直自分でもこれは、滑ったと思った。でも、 「あははっ」 歩は、笑った。事故に遭う前とおなじ笑い方で。 「これ、あげる。紅葉。綺麗でしょ。面白かったから、あげる。」 そして歩は、そのまま帰ってしまった。 俺は、泣き崩れた。もう我慢が出来なかった。 笑った。歩が、笑った。おかしそうに。 「うわああああああああああああ」 泣き叫んだ。 その一夜明けたあと、歩は、亡くなったらしい。 俺は、もう、大人になった。 ー久しぶりに歩ん家、いくか。 「あら、いらっしゃい。」 歩の母親が出迎えてくれた。しわが少し増えている。 そして、母親に案内されて、歩の部屋に入った。 あの笑顔を思い出して、泣きそうになったが、今度は堪えた。 窓から綺麗な紅葉が入ってきた。 あの日と同じような、そんな、紅葉だった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー アドバイス、お願いします! 辛口は控えめで、、、