風との恋
私は桃。小学六年生。最近好きな子ができたの。 その子は、ちょっと変わっててね。 私の髪をぐしゃぐしゃにして遊んだり、わたしが持ってた風船を飛ばしたりするの。 やんちゃで、傘も壊しちゃったこともあった。 風吹くん。 でも、 わたしの背中をいつも押してくれる。 とっても優しいの。春になったら新しい暖かさを、夏になったら蝉の声を、秋になったら紅の葉を、冬は冷たくどこか暖かいプレゼントをしてくれる。 そんな風吹くんが私は大好き。 笑顔で、 たくさんのプレゼントを運んできてくれる。 この前は、私が他のクラスメイトにいじめられている時に、助けてくれたんだよ。優しかったな。 『桃。大丈夫?』 「うん。ありがとう吹風くん。」 春になったら生き物たちを目覚めさせて、夏になったら海の匂いを運んで、秋になったら紅の葉を巻き上げながら冬を知らせて、冬がやっときたら、儚さがどこかある、冷たく突き刺さるような寒さを創る。 そんな風が私は大好き。