短編小説みんなの答え:7

絶望の中の希望を見つけて生きてほしい。いつまでも。

『目覚まし時計で起きれる。 空襲警報で起きる。 友達と喋りながら学校を過ごせる。 戦地に行けるようにって、兵隊の訓練を受ける。 安心して眠れる。飛行機の音に怯えることなんてない。 いつ何が起きるかわからない。飛行機が来るかもしれない。安心して眠れない。 なんでこんなにも違うのだろう。同じ人間なのに。』こんな本を見ると胸が苦しくなる。この本の隣には、腕時計があるかなり貴重なもの。これが本当の宝物。 あの日、助けてくれた君を私は忘れたことがありません。 「今日は平和博物館の見学です。一般の人もいるので静かに見るように。それでは班で見てください」 先生の声が静かなロビーに響く。あたりを見回すと戦争に関係するものばかりだ。友達と最初に見たのは遺書が飾ってあるところだ。 どれも、誇りだとか、元気でとか書いてある。馬鹿なんじゃない?なんで死にに行くことが誇りなの?こんな手紙を読むだけで涙が出てしまいそうだ。私は走って、外に出た。だって、あんな手紙を見て泣きそうで、クラスの子達がびっくりしちゃうから。うるさいって思われるかもしれないから。しばらく外のベンチで泣いた。 泣き止むと目の前に知らない少年がいた。軍隊っぽい服を着ている。「大丈夫?」と声をかけられた。どこかで聞いたことがある声だ。 大丈夫です、の前に誰?と言ってしまった。話を聞くとその人は、私と同じ16歳で、1945年の日本からタイムスリップしてきたらしい。「はっ?」言ってから私はやばいと思った。でもその人はそう思うよね、と言う。 そして、私は彼を信じた。名前は?と聞くと石塚勇斗、だと言った。タイムスリップできる時間は10分間。そんな短い時間で彼は、これを渡したかったらしい。腕時計。かなり古びた高価なもの。なんで渡すのか聞くと、今生きている時代が戦時中だから、この腕時計だけは助かって欲しいとのことだ。そんな彼の顔を見てこの腕時計がどんなに大切なものなのかわかった。私は、預かるよ。と言った。 「もう時間だ」彼が言う。どこか懐かしい顔。私はとっさに聞いた。「ねぇ、もしかして君あのとき助けてくれた人?」彼はうなずいた。 私は感動した。こんなにも優しい人がこんなにも罪のない人が戦争という苦しい時代を生きているなんて。信じられない。私は絶対に戦争をしたくない。 最後に私は、君に言った。「絶望の中にも希望があるから。希望を信じて生きてほしい。少しの希望でもいいから、些細な喜びでもいいから。 だからこれを受け取って」 私は彼に、髪ゴムを渡した。私のことを思い出してほしい一心で。光に包まれながら彼は消えた。 再び平和博物館に戻ると、新たな遺書があった。石塚勇斗の。写真は笑ってる。私が渡した髪ゴムを持ってる。良かった。渡せたんだ。 君はもういないけれど私には腕時計がある。あの日から動いていない腕時計。君が残してくれたものが希望になった。 ありがとう。 ~10年後 私は戦争をなくすことを訴える仕事をした。海外の戦地に言って子どもたちを助ける仕事を。あの人が勇気をくれたから。 これからも生きていく。絶望の中の希望をさがして。

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