素敵な自分になるには...(文字数の関係であとがきは省略)
「紫月(しづき)ちゃん!教えて」 「紫月ちゃん、こう?」 私・珠梨(じゅり)は、飛び交う「紫月ちゃん」の言葉を聞いていた。 紫月ちゃんは本当にすごい。 テストで90点未満は見たことがないし、いつも笑顔で人気者。 私もあんなふうになれたらなぁ...。 紫月ちゃんとはずっと仲良くなりたかったけど、人見知りで人付き合いが苦手な私は、なかなか話しかけられず、結局仲良くなれないまま6年生になっちゃった...。 「突然だけど、今日の珠梨ちゃんの髪型可愛い!」 「ありがとう!」 となりの席からこっそり(ではないかもしれないボリュームで)話しかけてきた彼女は、親友で鈴心(すずね)ちゃん。 運動が大得意で、リーダーシップのある子。 「そうだ!今日一緒に遊ばない?」 「いいね!あ、やばっ!先生の説明がっ..あとで話そ!」 私は頷いて返事をし、視線を黒板の方に移す。 その時、紫月ちゃんの鉛筆が、私の席まで転がってきた。 「あ、珠梨ちゃん、ありがとう!」 「うん!どういたしまして」 黒板に戻しかけた視線を、つい紫月ちゃんに戻している自分がいた。 って、説明聞かないと!と我に返り、今度こそ説明に集中する。 でも、今、チャンスだったな、という思いは、ずっと頭の中を回っていた。 私・紫月は、今日も友達に算数の問題を教えていた。 「やっぱり紫月ちゃんの説明って、すっごくわかりやすい!ありがとー!」 私は、にっこり笑ってうなずく。 「ねぇねぇ、突然だけど、今日の珠梨ちゃんの髪型かわいいね!」 「ありがとう!」 近くの席から、珠梨ちゃんと鈴心ちゃんの会話が聞こえてくる。 珠梨ちゃんは本当にすごい。 いつも服のセンスは抜群でおしゃれだし、いつも違う凝ったヘアアレは、とっても似合っている。 私もあんなふうに可愛くなれたらな...。 珠梨ちゃんとは、ずっと仲良くなりたかったけど、結局タイミングがつかめなくて、もう6年生になってしまった。 鈴心ちゃんとは、係が同じになったことがあるから、まあまあ仲がいいけど、珠梨ちゃんとも仲良くなりたい。 たくさんいる友達は、いつも話しかけてくれたことがきっかけで仲良くなったから、どう話しかければいいのかわからない。 「はい、ここは少し難しいので、先生からも説明します。まず―」 先生の説明が始まった直後、鉛筆が珠梨ちゃんの席まで転がってしまった。 拾おうとしたら、珠梨ちゃんが拾ってくれた。 お礼をいい、私は急いで席に戻る。 そして私は決心した。 この後、どうするかを。 私・珠梨が、鈴心ちゃんと約束した◯×公園に行くと、鈴心ちゃんだけでなく、なんと紫月ちゃんがいた。 どうやら犬の散歩中みたい。 「紫月ちゃん!?」 「あれ?珠梨ちゃん!?鈴心ちゃんも!?」 「ワンちゃんかわいいー!」 「この子、メスのシフォン。ちょうど2週間くらい前から、飼い始めたの。もしよかったら、なでてみる?」 「え、いいの!?」 と鈴心ちゃん。私も会話を続ける。 「へぇ、シフォンちゃんかぁ!たしかにこのふわふわ感とこの色、シフォンっていう名前にぴったり!」 「ありがとう!この子はペットショップの子だけど、お世話になれたら、保護犬も変えたらいいなって思ってるんだ!」 「へぇ!いいね!」 「あとさ、珠梨ちゃんって、犬以外にも動物好き?」 「そうだけど、なんでわかったの!?」 「だってファイルもかばんについてるキーホルダーも、いろいろ動物系持ってるからそうかなって」 私は、よ、よく見てるなぁ...と感心する。 「..突然だけど、よかったら、友達にならない?私ね、珠梨ちゃんって、いつも服のセンスは抜群でおしゃれだし、いつも違う凝ったヘアアレは、とっても似合ってるし、すごくて可愛いなって思ってたんだ。」 「そうなの!?私は、紫月ちゃんって、テストで90点未満は見たことがないし、いつも笑顔で人気者ですごいなってずっと思ってた。あと、仲良くなりたいなって、ずっと思ってた。」 私と紫月ちゃんは、まるで目と目で会話してるみたいに、見つめ合った。 「珠梨ちゃん、」 「紫月ちゃん、」 私達が話し始めたのは、ピッタリ同じタイミングだったから、思わず吹き出しちゃった。 「紫月ちゃんから、どうぞ」 「ありがとう。もしよかったら、ヘアアレとかオシャレとか教えてほしいなって...」 「私は、勉強と、人気ものになるためにどうすればいいかとか、教えてもらってもいい?って...」 「二人とも、同じこと考えてたんだね!じゃあさ、その、自分で言うのもだけど、私って運動得意ってよく言われるから教えよっかな?」 「ありがと!得意なこと教え合って、最強の3人になれるといいね!」 私達は笑い合ってうなずき、こう言った。 「笑い合うこと―笑顔こそが、人を魅力的に見せる魔法のようなものだよね!」