大嫌いで、大好きなあなた。
初投稿です! 「ただいまー」クリスマスイブの夜、朝から出かけていた翔太が帰ってきた。真っ先に私に向かってくる。と、私の知らない匂いがした。 (なに、この匂い・・・知らないようで懐かしい感じの、不思議な匂い・・・) 「ん?どうしたの?なでてほしい?」 (違うわ。) この匂いが不思議で仕方ないのよ、ねえ、なんの匂いなの?ーと、私の頭の中にひとつの確信がよぎる。 ー浮気 (ー!) 翔太・・・やだ、そうだったの・・・? 毎日毎日、「大好き」「世界で一番愛してる」とかいってくるくせに…ウソだったの…? 私は翔太のそばにいられなくなって、部屋を飛び出した。「ミィ!」翔太が私を呼ぶ声が響いた。 窓際の床がひんやりと冷たい。まるで今の私のココロのようで。ため息がこぼれ落ちて、空気の中に溶けて消える。 翔太なんて、大嫌い。もう許さないんだから・・・!窓の外に視線をやると、月が淡い光を放っていた。それをぼんやりと眺めていると、後ろから歩いてくる音が聞こえてきた。 「ミィ・・・ここじゃ寒いよ。部屋行こう、ね」 「・・・」イヤよ。・・・こないでよ。 「・・・ミィ、あのさ、もしかして・・・」 なによ・・・ほんとに浮気してたの…? 翔太が口を開く。思わず身構えてしまう。 「猫カフェ行って、ほかの子に会ってきたこと、匂いでわかっちゃった…?」 ー!やっぱり。そうだったの…? 「でも!でもね、俺は、ミィにあげるクリスマスプレゼントを探してて…で、友だちが猫カフェで働いてるから、そこでいろいろ教えてもらってたんだよ、だから…浮気、ではないよ」 ・・・どうして、思ってることがわかっちゃうのかしら。浮気してるのかって疑ってたこと、バレバレね。 「はい、これ。プレゼント」 翔太はそっと私の前に、先がふわふわとした猫じゃらしと、魚のぬいぐるみを置いた。 「・・・!」 ー私のこと、たくさん考えてくれてたのに、そんな翔太を疑うなんて。まったく私、子猫みたいじゃない。 私は、魚のぬいぐるみをくわえて、翔太に向けて笑顔を見せた。 「ありがとう」と、「大好き」をー伝えたくて。