長文「少女」
「眠れない」 一晩ベッドの上で枕に顔をうずめていた少女が顔をあげた。水無瀬瑠々(みなせるる)。義理の家族が営む牧場で働いている17歳。 不眠症になったのは最近のことじゃない。2年ほど前から朝早く起きることが増えた。そのあとベッドに入っても寝れず、今になっては一晩眠れなくなっている。12時に布団に入って6時間、枕に顔をうずめるだけで過ぎた。仕事の準備をして外に出ようとドアノブを握ったそのとき。 「きゃーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」 「うわあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」 大絶叫が聞こえた。瑠々は慌てて階段を駆け下りる。義理の家族には包丁が刺さっていて、大量の血がついていた。 「な・・・・によ・・・これ・・・・・・・」 掠れた声が出た。こんな声を出したのは初めてじゃない。 『な・・・・によ・・・これ・・・・・・・』 あの時の記憶が鮮明によみがえる。前を見るとフードを深く被った若い男がいた。フードの男を睨んで言った。 「わたし・・・・あんたのこと知ってる。」 男は瑠々の前まで来るとうやうやしく礼をした。 「どうも、おはようございます。水無瀬瑠々さん。貴方に会うのが初めてではないとお察しいただき嬉しく思います。」 でも瑠々は平静を保てなかった。大声をあげ、泣き叫び、男を殴りつけた。男はこれに面倒だと思ったのかそのまま窓から外へ飛び出していった。 小学4年生の頃。 親族の同窓会に参加していた瑠々は退屈で仕方なかった。政治の話や仕事の話どれも瑠々にとって無縁のことだった。それで瑠々は散歩に行った。ふらふらしていると意外と楽しかった。 『ただいまー』 返事がない。奥の部屋に行くと 『な・・・・によ・・・これ・・・・・・・」 掠れた声が出た。親族が、殺されていた。前を見るとフードを被った知らない人がいた。 『だ・・・・・・だれ・・・・・』 『あんた、だれなの??!!こんなとこになんでいるの?!?!いるいみあるの!?ねえなんで?!なんでいるの?!』 パニックになった瑠々は男の胸倉を掴んで大声でわめきちらした。ちいさな腕をはらって、一礼し、窓から出ていった。マスコミに一度囲まれた瑠々はそのあと走って遠くへ逃げた。その途中義理の家族に出会った。 「あの時から、何も変わってないじゃん私・・・・・」 泣きわめき、犯人を逃す。二度もこんなことを犯すなんて。 5年後 22歳で警察官となった瑠々は最年少として市で表彰を受けた。しかしそんなことどうでもよかった。瑠々は上官に 「私、絶対捕まえないといけない男がいるんです。死んでも構わないので調査をさせてください!」 反対を押し切って、町の人にインタビューし、過去の事件を全てみて、必死に調査するものの結局自分が事件について知っていると分かっているから涙がむせびあげてくる。それでもあきらめなかった。 「・・・・・・・ねぇ・・・・わたし・・・やったよ・・・・・・ちゃんとできた・・・・・」 荒い呼吸をしながら瑠々は呟くように言う。目の前では複数の警察に囲まれた男が確保されている。瑠々は腹に刺さった刃物をぬいて、涙を流しながら言った。命も惜しくなかった。このためだけに警察になるために6年間必死に訓練してきた。男が死刑になることを最後まで瑠々は願っていた。 『速報です。親族皆殺し事件を起こした犯人の男が午前6時ごろ、逮捕されました。男は過去にも多くの人を殺していることで死刑になることがすでに確定するでしょう。そして、男の逮捕に至った史上最年少警察官の水無瀬瑠々巡査(23)が重体になり、亡くなられました。ネット上では、20代の女性が最後まで諦めずに男を逮捕した姿に感動したという方が年代関係なくいらっしゃいます。警視庁は、瑠々巡査の経緯についても後日また公開するということで――――――――――――――』
みんなの答え
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すごく良い作品!
みみたんです。 みんなの命を守るため、自分の命を捧げた主人公にとっても感動しました! 私にはこんな勇気はありませんが、みんなのことを考えて行動できる人になりたいです!
感動。
とっても感動しました。泣きそうになりました。
とっても上手…!
こんちゃっ(^^♪双葉だよ(。・ω・。) 【本題】 とっても上手…! 読んでくれてありがとう(*'ω'*)ばいちゃっ(^^♪