綺羅星
「あーもう。めんどいなぁ。何やこれ。」 彼は叫ぶ。 彼は転校生。この前奈良から来た。 「君がやるって言ったんでしょ?」私は本にお気に入りの綺羅星が描かれたしおりを挟む。 「せやけど…めんどいなぁって。この問題とか。」 彼の課題が終わらないものだから、学校の教室で放課後、二人でやっている最中。 「君が急にいっしょにやろっていっきたんじゃん。」 「だって。他の子誘っても、塾があるだのなんだので。俺だって今日予定あるって言っててんで。」 彼はわざとらしく溜息をつく。 そんな彼を横目に、また本を読み始めた。 彼がこっちを見る。 「なに?」 「いや。ずっと思っててんけど、可愛いなぁって。」 「は?」 「君が。付き合ってくれへん?」 「き、急すぎない?」 君は、私のしおりを指差す。 「君の笑顔って、綺羅星みたいだよね。」 「なに?誘って来てんの?」 「そういうわけやないけどさ…」 「いーよOKする。」 「マジで?俺、君のこともっと薄情かと思っててんけど。」 「失礼だな。」 そういいながら私は彼の首に手を絡めた。 「あーあ。俺が先に抱きついたろって思ってたのに。」 彼はそう言って笑った。