短編小説みんなの答え:2

演じる私と演じる君の恋

本当の私を、誰か分かって――!! 私は加恋(かれん)、中3。 みんなは、私のことを「人気者」とか「明るくて優しい」とか「優等生」って言う。 そんなの、演技。ホントの私じゃない。 みんな、知らないんだ。 私が夜、ストレスのせいで泣いていることを。 『人気者』を、むりやり演じていることを。 本当の私は、陰キャで、1人でいるのが好きっていうことを。 もう疲れた。『人気者のいい子』を演じるのは――。 「‥‥っ、私が『疲れた』なんて言っちゃダメなんだった!私はこのまま『いい子』を演じながら、生きていく道しかないんだからね。しっかりしなきゃ、加恋!」 そんなある日。 『加恋へ  放課後、屋上に来てください。話したいことがあるので。                                                   勇樹より』 そんな手紙を、勇樹(ゆうき)という幼馴染に渡された。 勇樹はイケメンで、誰にでも優しく接するような人だ。 (勇樹は、もともと『いい子』の性格なんだろうな‥‥でも私は、本当にいい子なわけじゃない‥‥) 勇樹を羨ましく思いながら、私は放課後、屋上に向かった‥‥。 <放課後 屋上> 「あ、加恋!」 屋上のドアを開けると、勇樹が手を振って話しかけてきた。 「ねえ勇樹、話したいことって?」と私が聞く。 「ああ!あのね、実はさ――」 勇樹が顔を少し赤らめながら、思いがけない言葉を発した。 「僕、加恋が好きなんだ!!」 (嬉しい‥‥!私も勇樹が好き!だけど‥‥) 「勇樹、私 ホントは、人気者のいい子なんかじゃないんだよ。陰キャだし、勉強だってあんまり好きじゃないんだ。でも、こんな私だとしても、好きでいてくれるの‥‥?」 思わず、私はそう言ってしまう。 すると勇樹は笑顔になってこう言った。 「実は、僕もそうなんだ。『いい子』を演じてるけど、ホントは全然そんなことない。小学生の時にいじめられたから、いじめられないように陽キャを演じてたんだよ。お互い同じ境遇だよ」 優しい言葉を投げかけられて、私の頬には温かい涙が通った。 「ありがとう‥‥勇樹‥‥私も、勇樹が好き!!」

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