短編小説みんなの答え:0

仲直り

「はぁ…」 いつもの帰り道。私は一人、とぼとぼと帰っていた。私は倉持音羽(くらもちおとは)。写真部に所属している。いつもなら隣に真妻瑠美(まつまるみ)がいるはずだった。美人で愛想が良くて、文武両道の、私になんか釣り合わない、かけがえのない親友。なのに、今日はいない。全部私が悪い。 その日の朝、私と瑠美は一緒に登校していた。 「ねえ、音羽。私、テニス部やめようかな…」「えぇ!?なんで?」「えっと…」「なんで急にそんなこと言い出すの?」「そのぉ…」いつもと違う、歯切れの悪い返事。「瑠美、テニス上手だし、他の部員とも上手くやっていってるんじゃないの?」「…」「テニス部やめるなんて、瑠美おか」「もういい!音羽なんかに話さなきゃよかった!」「あっ、瑠美…」 私が知らず知らずのうちに瑠美を傷つけていたのかもしれないな…あのあと、一日中一回も目合わせてくれなかったし。そう思っていた時。 「おーとは!」「わっ…蘭ちゃん!」 友達の、市田蘭(いちだらん)だった。 「なんか、今日元気なかったからさ。なんかあった?」「んっと…」私は蘭に事情を話した。 「なるほどねぇ、瑠美がぁ」「うん、何かあったのかな…」「ふふっ」「ん?」「いや、写真部とテニス部って、活動の曜日キレーにずれてんじゃん」「あっ」 そういえば。最初にいつも一緒に下校していると言ったかもしれないが、中学校に上がって部活に入ってからあんまりいっしょに帰れてなかったかも。 「さみしいんでしょ」「え?」「だから、瑠美は音羽と一緒に帰れなくてさみしいんだよ」「えぇぇ!?」「いやだって、音羽には直接言ってないかもだけど、瑠美、めっちゃ音羽を好きで大切に思ってるっていってたし」 うそ。 「今度、遠足じゃん。瑠美の好きなおかずでもあげれて仲直りすれば」「…わかった。ありがと、蘭ちゃん」 そして来たる遠足の日。 お弁当の時間にずんずん瑠美が寄ってきた。お弁当箱と、え?私の好きなミートスパゲッティ。次の瞬間。 「むぎゅっ」口の中にミートスパゲッティ。瑠美に口の中に詰め込まれた。 「あははっ」久しぶりにみる瑠美の笑顔。私もミートスパゲッティが口からこぼれないように笑いかけた。そしてミートスパゲッティを飲み込むと私は言った。 「今日、一緒にかえろ!」

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