短編小説みんなの答え:1

生きることとは

「人のために無茶ばかりしなくてもいい」  彼の言った言葉が私の心に堆積し始めたのはいつの頃からだろう。  私は当時悩みの渦中にいた。勉強をすればするほど底なし沼に堕ちていってたからだ。それ以来、私に対する態度を苛烈なものに変えた親に耐えかね、天の上まで行こうと画策した。 いざ吊るとなると気が滅入って先に進めない。迷いに打ちひしがれていたところで後ろからくぐもった嗄声が飛び込んできた。 「あんた、そこで何をしている」 夜中の公園に人なんているほうがおかしい。思わずどきっとした。折り畳んだ段ボールに座るその男は、口調は怖いが悪い人なんて感じは全くしなかった。 いっそのこと、全部言ってしまおう。私は男に一切を打ち明けた。 「そうかい。そりゃ追い詰められないほうがおかしいぞ。特に若いのだったらな」 「…え?」 疑問の語を飛ばすと、彼はさらに言葉を続けた。 「俺が思うにあんたはむちゃをしすぎんだ。それで精神が疲弊していくのをあんたは気づいてたはずだ。でも親や教師を喜ばせるために本音を騙り、自らを欺き、さらには底なし沼への片道切符を切ってしまった」 私は何も言い返せなくなってしまった。むしろこれまで蓋をしてきた、奥底の感情が"私"を気づかせてくれた。瞬間、私の視界は鮮やかに色づいた。 「あんたに教えときたいことがある」 「…なんでしょう」 「人のために無茶ばかりするな。他人のために生きることを悪いとは言わんが、自分を守ってやれるのは自分だけだ。よく覚えておきなさい」 「…はい!」  月日は流れ十五年。彼の教えを胸に私は生きている。そして、希望を掴んで見せる。 -完-

みんなの答え

辛口の答え

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はい好き

言葉遣い丁寧。 言葉を置き換えてくぐってきてくれてありがとう ハッピーエンドでよかったはらはらした ありがとうね


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