貴方といつまでも
貴方と、いつまでも一緒にいたかった。 ******************************* 私は美奈美(ミナミ)。この世に生を受けて15年。今まで懸命に生きてきた。どんな辛いことも決して諦めなかった。でも、もう、駄目かなあ。 彼と出会ったのは同じ入院患者として。彼が大切そうなものを落としていて、しゃがめないみたいだった。病気のせいかな。私は彼の代わりに拾ってあげた。 「はい、どうぞ!」 「……ありがとう…」 彼は不器用そうな人だった。 「私は美奈美。あなたは?」 「……俺は……って!知らないやつには名前 は教えねえよ!」 彼は名前を教えてくれなかった。今思えばそれは当たり前か。 それから私は彼に会うたびに挨拶と話しかけるようにした。相変わらず名前だけは教えてくれなかった。ある日、彼は私にこう言った。 「…美奈美、俺は、多分…というか絶対お 前が好きだ。俺と付き合ってくれない か。」 「…宜しく…お願いします。」 正直一目見たときから彼のことが好きだった。だから見かけたら挨拶は絶対にしていた。 それから彼はいろんなことを私に教えてくれた。16歳だということ、両親のこと、勉強のこと…そして、彼の病気のことも。 私の病気は決して軽くはないが、一生抱えていくだけで命に別状はないものだった。だが、彼は違った。彼は外国に行った時に伝染病にかかってしまった。それは経口感染するもので、かかってからの余命は五年。…あと2ヶ月で五年だ。彼は悪戯をして後悔したような顔で言った。 「…俺は最初から美奈美に惚れてたけど さ、もっと早くに告白すれば良かったな ー。」 彼はある日倒れた。私の目の前で。 「ねぇ…ねぇ!私をおいて逝くの?私をお いていっちゃうの?」 彼は少しだけ目を開けた。口だけが動いていた。ミナミ、と。私はそれを見た瞬間、もう耐えられなかった。 彼に、キスをした。彼と一緒になりたかった。彼と同じ苦しみを味わいたかった。共にいきたかった。だから…だから… 彼も私のキスを甘んじて受け入れてくれた。そして… 「ミナミ、俺の名前な…ケイタって言うん だ。」 「ケイタ…?ケイタ…それが貴方の名前… 素敵だよ。愛してるから…いつまでも… いつまでも…」 ケイタは倒れた日の夕方に亡くなった。 私は彼とキスをしたときに移った彼の 病がもともとの持病のせいで悪化し、彼の死から4ヶ月たった今、いつ命の灯火が消えてもおかしくないと言われている。 でも、彼と会えるのならそれでいい。ケイタ…あなたといつまでもいたかった。どこでもいい。次は二人で静かに暮らそう。 少し眠くなってきた。…ケイタ……ケイ…タ ******************************* ルリです、初投稿でした。(汗) もしリクエストがある方いればコメントで教えて下さい。