殺し屋
私は梓(あずさ)。12歳の殺し屋だ。 こう見えても腕は確かで、今まで殺してきた人は1000人以上。 スパイとか、有名な裏組織の幹部とか、そういう人も殺したことは何回もある。 私に仕事をくれるのは、ボスだ。 ボスの名前も顔も知らないが、あの声と威圧感は只者ではない。 今日も暇だなー。 ...ていうか、ボスの命令に従って何人もの人を殺して、私は何がしたいんだろう。 私は、何のために殺し屋になったんだっけ。 私って、ボスの操り人形じゃない? 自分に問いかけても返事は返ってこないまま。 ただ時間だけが過ぎていく。 「何してるの?」 後ろを振り向くと、私のすぐ近くに男がいた。 ...気づかなかった。人の気配なんかすぐ分かるのに。 黒いジャケットに身を包み、黒い中折れハットを深く被った、30代くらいの男だ。 「...何者ですか?」 「冷静だねー。まあそういうのは秘密。君が何か情報をくれるのなら答えても良いけど。」 「じゃあ結構です。」 情報を渡したら殺し屋として失格だ。それに私の命が危なくなるかもしれない。そんなことはお断りだ。 「初対面の人に冷たいなー。でさ、君に交換条件を出そうと思うんだけど、どう?」 「...内容は?」 「流石、話が早い。僕は君にこの人を殺してもらおうと思うんだけど。」 渡された写真を見て私は驚いた。まさか〇〇を殺すことになるなんて...。 「...あなたが殺せば良いじゃない。そっちのほうが早いでしょ?」 「いや、僕は君に殺してほしいんだよ。で、〇〇を殺してくれたら、君を自由にしてあげるよ。」 「...自由?」 「さっき自分でボスの操り人形とか言ってたじゃん。ボスの言いなりになりたくないなら、僕が自由にしてあげる。殺し屋なんてやらなくていいんだよ。きっと幸せになれる。」 「...でも〇〇を殺さなきゃいけないんだよ?言ってる意味分かってる?」 「勿論。じゃ、僕はこれで。」 「ちょ、待っ...」 謎の男は消え去っていった。 ...まぁ、ボスの命令に従うより、あいつの命令に従うほうがマシか。 さてと。面倒くさいから最後の命令は早めに終わらせないと。 「...速報です。今日午前1時、有名な殺し屋_梓の遺体が発見されました。死因は不明で...」