からす
からす、からす。 電信柱の先っぽで、下校する僕らを見ているよ。そしたらね、カァーカァーって言うんだ。 そしたらね、僕もカァーカァーって言うんだ。 おじいちゃんにはね、 「 そうすると、 からすに覚えられるから辞めなさい。 覚えられて、群れで襲われたらどうする」 って言われたけど、 からすに襲われるのね、悪くないと思うよ。 だってからすって、格好良いじゃん 真っ黒真っ黒、葬式場 へへへははは。 ケンジ君に、道具箱を泥だらけにされちゃった。 僕がおじいちゃんといつも一緒にいるのが古臭いジジババみたいだって。 僕が好きでいるんだからいいんじゃん。 ケンジ君にね、下校中ついてこられたの。 朝も、帰りも、朝も、帰りも。 後ろっからサトウくんもタナカくんも 皆で石を投げるんだ。 こっちにね。 背中に当たったら5点。あしは3点。 僕だったらね、 僕にあたるんなら、全部100点とるよ。そのくらいの傷がついちゃうんだもん。僕に! 今日ね、からすがさ。 狙っていたように集団で襲ってきたんだよ。 でも僕にじゃなくて、後ろっかわのサトウくん達だった。 サトウくんも、タナカくんも、もちろん先頭のケンジ君も襲われた。 なんだかね、頭をつつかれてたよ。群れで。 僕がね、狙われてたんだと思うよ。 でもね、僕がね、サトウくん達が居ても いつも カァーカァーって かえしてたから、 サトウくん達それをからかって 真似してカァーカァーって言ってたから サトウくん達も覚えられてたんだと思うよ。 僕もね、いつかからすに襲われるよ。 多分。 からすがね、僕を覚えてるんだ。 きっと。 カァーカァー。