魔法使いが現代にいないわけ
(目が覚めると不思議な空間にいた) 魔法が使えるようになったらどんなことがしたい? (目の前にいた何者かに尋ねられた。顔は見えない) どんな魔法でもいいさ 炎が出せたり、変身することができたり、瞬間移動、記憶を消したり、病気やけがを治せたり、 "何でもできる"っていう魔法だからね でも縛りがある 生物を対象に使うのであれば一日に100体のみ 範囲を指定して使うのであれば一日に100㎥のみ 察しのいい君は気づいたかもしれないけど この魔法を使えば生命を奪うこともできる で、どうする? 魔法が使えなくてもいいならこのまま元の空間に戻すけど ================ 紀元前XX年 魔女がいた 彼女は魔法が使えた 彼女は優しかった 魔法を飢えた人々、病気やけがで苦しむ人々、災害から人々を守るために使った 彼女は人々に崇められていた 群衆の中に魔女に不満を持つ男がいた 彼は目立ちたかった だから魔女が邪魔だった だから嘘を広めた 紛争や戦争がある時代だった 男が言った 「魔女が戦争を起こした張本人だ」 「魔女は自分たちの敵だ」 たちまちその情報は伝わった 魔女は争いを起こせるほど優れた魔法を持つ魔法使いだからだ すぐさま国王は魔女を牢に入れた 魔女は無実を主張した 魔女がそんなことするわけがないと署名運動が始まった だがそれも無に等しい そもそも署名運動に参加した人は国民の100分の1にも満たない 裁判の結果は有罪 ”死刑” だった ================ なぁなぁ見て見て おぉ、なんだこれは…炎? すげーだろ!火力を強めることもできるぜ うぉ、こっちに向けんなってwつかこれ本物かよ、あちぃ これもしかしたらバズるんじゃない? ‐‐‐‐‐ たちまち少年は有名になった その頃火事が多発していた 巧妙な手口だった 少年が容疑者に挙がった 数日後、自首しにきた男がいた 彼は言った 「火が出せるガキを利用してやろうと思った」 SNSでは 「魔法使いくん逮捕されたって」 「やらかしたなww」 男が自首する前のことだった 警察に取り調べを受けていたというところから様々な推測が飛び交った 「あれ、違う人だったよ」 「残念w外れた」 「魔法使いなんだし洗脳とかできるんじゃない」 「真犯人は魔法使いくんだったw」 男が自首し、少年の無実が確定した後も少年の話題は続いた 自分の逮捕を願う人、自分を有罪に仕立てたい人、自分の不幸を願う人が大勢いた その事実から少年は自ら命を絶った