いじめ
いじめられたから 受験して逃げようとしたんだ なのに こうなるなんて 2学期も終わりに差し掛かった12月の日。 雪が降り、暖房がついていても少し冷える、そんな日。 ガラリと扉を開く。 それまで笑顔で話していた生徒たちが、一目扉を開いた一人の少女を見て、ククク…と意地悪な笑顔を浮かべる。 暗い顔をした少女が教室に入っていき、自分の席の無惨な姿に見慣れた顔つきで座る。 “バカ” “学校くんな” “大嫌い” そう書かれたノートの雑に破られた紙。 昨日までの私とは違う ビリリ…と音を出しながら少女はその紙を乱暴に破る。 周りの生徒達は驚きを隠せない顔をしている。 クチャクチャにされた紙を、さっきまで大笑いしていた女子生徒に投げつける。 「いい加減にして」 教室の空気が凍りつく。 「みんな私の名前を呼んで、仲良くして、笑って、話を聞いてよ!!!」 大声でそう言う。 伝えたかったこと。ずーっとヒミツにしてたこと。 「私だってあんたら全員大嫌い!」 涙があふれる少女の顔。 シンと静まり返る教室。 すべての生徒から消えた笑顔。 全て、今までしてきたことを悟っている。 「もう嫌だ!いい加減にして!もう無理だから!みんなみんな私と笑ってよ!」 ずっと寂しかったんだ 小学生の頃、名前で遊ばれた思い出も 不登校になったあの日も 学校に来て涙を流した日も 放課後先生と一対一で話した記憶も いじめから逃げようとして中学受験を決めた日も 全部全部消してしまいたい 全部全部いらない思い出だ 少女の机の中には、 「友達を作る100の方法」という本が置いてあった。