約束~2人の友情と青春~
「これから全国マラソン大会の出場者を発表する」先生の顔は真剣だった。陸上部のメンバーに重い空気が流れた。今年、私たちの学校は予選を通過し全国大会への切符を手にした。私・水谷実優にとってこれがラストチャンスだった。今年、私は高校を卒業する。大学では陸上をやめるつもりでいた。出場が決まったとき、私はみんなが帰った後ひとりで練習したり、朝練もしたりした。先生は名前を呼んでいく。「伊藤…水無瀬…」どんどん名前が呼ばれていく。気づけば最後の1人になっていた。「近藤」大会出場者の全員の名前が呼ばれた。私の名前は呼ばれることはなかった。「補欠は水谷と…」補欠のメンバーで一番最初に呼ばれた。みんなより遅く残ったり朝早くきて練習したりしたのに…! いつも私と練習していた伊藤明莉(いとうあかり)は呼ばれたのに何で私だけ…発表後、明莉は気まずそうに私の元にきた。 「明莉より練習したのになんで私は選ばれなかったの」明莉にあたってしまった。「ごめん…」明莉はその場を去っていった。 本番4日前明莉は骨折をした。明莉は悔しがって泣いていた。 そして私に「私の変わりに実優(みゆ)がでて」と言った。「実優、私の変わりに走って優勝してきて」二人とも泣きながら約束をした。 大会当日、私はアンカーを走ることになった。 襷(たすき)を1位で貰った。絶対死守する。心に誓って走った。 残り1キロを切ったとき、足が絡まって転倒してしまった。転倒したとき捻挫をした。何でこんな時に…ふと明莉との約束を思い出す。ー優勝してきてー。明莉の方が辛かっただろう。せっかく選手に選ばれたのに。だからこそ諦める選択肢はなかった。最後まで走りきる。 ー見えてきました!1位は水谷実優さんが死守している!そしてゴールテープを切ったー!ー 実況が響き渡った。ゴールテープの目の前に松葉杖をついた明莉が待っていた。「明莉!」すぐさま明莉のところに行った。「おめでとう…!ありがとね実優!」「明莉もありがとう!」 二人とも泣いた。「大学は駅伝2人で絶対出ようね」明莉と約束した。