この星の最期に祝福を
『えー、隕石の軌道によると、大体2週間後くらいですね…』 地球滅亡。よく耳にするフレーズだ。 それが現実で起きるなんて、誰が想像できただろう? 2週間後_つまりクリスマスイブ。 地球が滅亡するらしい… ま、嘘だろうとは思うけど。 この時は疑っていたが、今は後悔している。 なんで、もっと時間を大切に使わなかったのか、と。 XXXX年 12月20日 11:55 家 何気なく窓を開けると、"何か"が見えた。 __まさか、隕石? 本当だったのか…と思っていると、背後に少女がいた。 「誰?」 「私は…まあ神の使いね」 神の使い?てか本当に神様いるのか? なんだこいつ… 「なんだこいつってなんだよ」 「何考えてるのかわかるの?」 「まあね、とりま本題、時間ないでしょ」 言い返す言葉が見つからなかった。 本当に時間がないのだから。 本題って?と訊くと、ゴホン、とわざとらしい咳払いをして、話し始めた。 「あー、簡単に言うと、私、一つ願い叶えれるんだよね?」 「えっっっっっ」 「やばいでしょ?それで願い叶えに来たって話」 「別になんでもいいよ?でも、どうせなら地球救ったら?」 ふと、時計を見た。今は12時。と言うことは21日か。 「ちょっと保留で」 「じゃあ、地球滅亡の1時間前に来るね」 話を終えると、少女__神の使いは姿を消した。 12月23日 11:00 河川敷 地球滅亡まで、残り1時間 「来たよ」 「私の願いは__」 「ここにいて」 「…え?」 「だって私達、友達でしょ?」 「友達…か」 よいしょ、と腰を下ろし、話を続けた。 「いいよ」 「でも、よかったの?」 「うん…だって、私は死ぬ運命だから」 「人はいつか死ぬ。仕方がない事だよ。事実を受け入れるのが大事だと思う」 彼女はふふっと笑い、そうね、と言った。 それからは、他愛のない話をした。 神様っているの?とか、勉強できる?とか。 楽しかった。楽しかったんだよ。それでいいじゃないか。 心置きなく死ねる。生きればいいって事じゃないと気付かせてくれてありがとう。 __声に出さなくても、伝わるでしょ? 出会ったばかりの友は、空を裂く星を眺めながら、満面の笑みを浮かべた。