短編小説みんなの答え:1

運命の赤い糸

私は、彩羽(いろは)。ごく普通の小学6年生。でも、一つだけ、普通ではないことがある。それは、運命の赤い糸が目に見えること。 そのことに気がついたのは、3歳の時。私は、公園ですれ違ったカップルの小指の赤い糸が見えた。当時の私は、まだ運命の赤い糸のことを知らなかったため、母に、「さっきの男の人と女の人の指についてた、赤い糸は何?」とたずねた。しかし、母には見えなかったそうだ。というか、この世のほとんどの人は見えないらしい。心配になった母は、病院に連れて行った。病気ではなかったが、私には、100万人に1人しか持っていない、運命の赤い糸が見える能力を生まれつき持っているそうだ。けれども、赤い糸が見えたところで、特に何のメリットもなかった。あの日までは──。 私は、小学6年生になった日。隣の席の男の子に恋をした。彼は、容姿端麗、文武両道タイプ、性格も良くて、家柄もいいらしい。そんな彼は、学校中の女子にモテている。そんな彼と、私が付き合えるわけがない。そう思っていたが……。 彼と隣の席だから、授業中に、「隣の席の人と○○をする」などという課題を出された時に、強制的に話すことになる。そうやって少しずつ話していくうちに、彼と仲良くなった。そして、授業中以外にも、彼と話す機会が増えた。自分に自信がなかった私も、(もしかして、彼と両想いなのかな……!?)と考えるようになった。 1ヶ月前。私のクラスでは、体育でソフトバレーの授業があった。班ごとにチームを作り、対決をした。当然、私と彼は同じチームになった。私は運動が苦手だが、運動神経バツグンの彼に助けられ、無事に授業を終えた。 授業で使った物の片付けをしている時。私が顔を上げたら、彼と目が合った。ドキッとした私は、どうすればいいのかわからなかった。ところが、彼が見ているのは、私ではないことに気がついた。彼が見る先にいるのは、同じ班の女の子だった。彼女は、学年1の美少女で、勉強や運動がずば抜けて得意だ。認めたくはないが、彼に合う女の子だと思う。 そして、私は、彼と彼女の手に目を向けた。彼と彼女の小指には、運命の赤い糸が結ばれている。ということは、あの2人は、いずれ、お互いにかけがえのないパートナーになるだろう。 「はぁ……。運命の赤い糸が見える能力なんて無ければ、こうやって悲しむこともなかったのに──」

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