叶わない
ずっと貴女のことが好きだった。 愛してるって言ってほしかった。 なのに貴女はもう、結婚するんだね。 俺と君が出会ったのは小学1年生。 黄色い菜の花が眩しい季節。 家が近所だからって一緒に行くことになった。 最初はぎこちなかったけど、次第に仲良くなった。 中学2年生のとき。 入道雲が夏を運んでくる季節。 テストの点数競って、俺が勝ってばっかり。 ずっと君は意地になってたね。 たまに拗ねる貴女が可愛くて仕方なかったよ。 高校2年生のとき。 街が夕焼け色に染まる季節。 告白したら振られたって泣きついてきて。 あんなに泣く貴女は初めて見て苦しくなった。 けど、貴女がとられなくて嬉しかった、って気持ちもある。 大学2年生のとき。 街行く人のマフラーの色が映える季節。 レポートが終わらない、とかで俺をさんざん頼ってきた。 お礼に、って奢ってくれた缶のコーンスープは美味しかったなあ。 …なんだかんだ俺を頼ってくれる貴女が可愛くて仕方ない。 でも、もう貴女は結婚する。 知ってた、貴女が俺に興味なんてないこと。 でも、太陽みたいに眩しくて、優しくて、可愛い女の子に俺はもう会えないと思う。 たとえ君が俺のことを好きじゃなくとも、 俺は貴女のことが大好きだ 欲を言えば、愛してるって言ってほしかった。 …なんて、叶わぬ恋心を抱きながら、俺は貴女の晴れ舞台に行くよ。