短編小説みんなの答え:0

ガラスが描いた世界

最近気になっているお店がある なんだか不思議な雰囲気で外からはお店の中が見えない 入ってみようかな そう思ってはやめるを繰り返してた ある日、そのお店に1人の女性が入る所を見た 勇気を出して僕もお店に入った 「おや、随分と早いお客様ですね」 そこには丸メガネが似合うロングヘアーの女性が居た 「あ…えと…」 そう戸惑ってると 「…開店時間はまだですが…どうかしましたか?お兄さん」 その言葉を聞いて言葉がでなかった (なにをしてるんだ僕は…!) 顔が熱い、恥ずかしい すぐに店を出ようとしたが、女性が呼び止めた 「そんなに焦らなくとも、追い出したりしませんよ、せっかくなら店を見ていって下さいな」 そう言われてからお店を始めて見渡した そこはまるで…ガラスで出来たようだった 少し揺れるシャンデリア 光り輝くガラス細工 宝石を模したガラス… どれもこれもが美しかった 「なぜ…こんなガラスのお店を始めようと…?」 女性は少し微笑んで話してくれた 「父がそういったガラス細工が好きだったんですよ、よく父が買ってきて母に怒られてましたね」 懐かしそうに笑った 不意に僕は女性の笑顔が可愛いと思った 「…おや、もうすぐ開店時間ですね…時間が過ぎるのは早いですね」 時計は11:58を指していた 開店時間には帰らないと… 病院に僕の母が入院してる…今日中に会わないと 店を出る前に女性に一つ質門した 「貴女にとってガラスはどんな物なんです?」 少し考えたようにしてからこう言った 「ガラスはこの世で一番美しい物だと思っています、ガラス越しに見た風景は光り輝いていて…それがとても綺麗で…」 「ガラスは…世界を美しく魅せる鏡だと私は思います」 女性は優しくて何かを見据えたような表情を見せた その光景はガラスの反射で余計に綺麗に見えた 女性が言っていたことが理解できた気がする 僕は、ガラス細工を一つ買って病院に向かった 買ったガラス細工は額縁の形 そのガラス細工を通して見た景色は… 今まで見てきた景色のどれよりも…綺麗だった 母もとても喜んだ なんて綺麗なんだろうねえ そういって笑ってた …こんなに笑顔の母を久しぶりに見た 女性には感謝しかないなあ… 母に見えないように泣いた ガラスで反射した光が涙を照らした 涙がガラスの様に輝いた

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