すれ違い~この想いを、伝えられたのなら~
君はクラスの中でも特に人気者で 誰にでも優しくて 勉強もスポーツもできて だから初めて君に話掛けられた日、私はすごく嬉しかった 私なんかに、話しかけてくれて 「瑞香(みずか)ちゃん。これ、委員会の人が渡してくれって」 「あっ、碧(あお)君ありがとう。」 初登校の日に君を見て、私の心に宿った淡い恋心 始めて話した日から、君との距離は少しずつ深まってきていた気がした 「瑞香。今度家で遊ばない?」 「えーー、、どうしよっかな~」 「遊んでくれないと恨むよ笑」 「じゃあ遊ぼうかな~」 呼び捨てで呼ばれた時から、遊びに誘ってくれた時から 君は私のことが好きなんだと思ってた 思ってたのに 「瑞香~ 女子ってなんかさ、貰ってうれしいものとかある?」 この時、私は誕生日が近かったからなにかくれるのかなって思っていた 「んー、、 私はアロマキャンドルとか欲しいな」 「アロマキャンドルか。分かった ありがと」 この時私は、少しの、いや 結構期待を込めて、こう聞いた 「誰かにあげるの?」 聞かなきゃよかった 今でもそう思う 「いや、彼女の誕プレで悩んでて」 彼女か。 そうなんだ。君って彼女いたんだね どんな人なの? そう聞いたはずなのに、口から出ていたのは嗚咽の音だった あぁ。 駄目だ こんな顔見せちゃ、君に私の気持ちがバレてしまう 私は涙をぬぐって、必死に平然を装った まあ。もう泣いてるから無駄なんだけど 「碧って、、彼女いたんだね、、、っ速く教えてくれればよかったのに」 絶対に声は震えていたと思う。 「あ、、 い、いやその―――」 「ごめん。トイレ行ってくる」 そう言って私は逃げた 気持ちが持たなかった トイレには休み時間が終わるまで籠った そして、その日から卒業まで君と話すことは無くなった ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 冗談で言っただけだった 彼女がいるなんて、そんなの嘘だ 瑞香の誕生日が近くて、好きなものが分からなくて聞いただけだった 好きだってバレたら、その後が怖くて だから彼女がいるって嘘をついた そうしたら、瑞香が泣き出して 教室のみんなはこっちに釘付けになっていた 瑞香はそれが辛くて、教室を離れたんだと思う でも その日からなんとなく気まずくなり、話さなくなった 卒業式の日は、話そうと思った でも瑞香は休んだ 流行っていたインフルにかかり、やむを得なかったらしい こんなことになるんだったら、冗談なんて言わなきゃよかった 後悔しても、もう遅い でも もし、あの時に戻れたのなら この想いを、伝えられたのなら。