見世物小屋のピエロ
あるサーカス団に、皆に不気味がられているピエロがいた。そのピエロは、子供達には石を投げつけられ、大人達には「気味が悪い」だの「気持ち悪い」だの言われていた。ピエロは、そのせいで心身共に疲れ、思い悩む日々であった。 そんなある時、いつものように嫌がらせを受けている時だった。「あの、顔、傷ついていますよ。これ、よろしければどうぞ。」と、一人の 女性がハンカチを差し出した。「いいんですか、こんな僕に構って下さるなんて...。」とピエロが言うと、「いいんですよ。私で良ければ、 話も聞きます。」と女性は言った。色々と話を聞き、女性は「まぁ、とても酷いですね。いっそのこと、辞めてしまったほうが...。」こう言った。ピエロは団長に、「すみません。僕、ここを辞めさせていただきます。」と言った。団長は、いつかそう言うと思っていたよ、と涙ながらに言った。 数ヶ月後、ピエロはとても平和に暮らしていた。あの時出会った女性とピエロは結婚し、二人の間に生まれたのは、一人の女の子だった。ピエロの本名はルーズベルトと言い、今は役所で働いている。 それからルーズベルトは、かつての自分と同じように嫌がらせを受けている人のために努めた。そして、家族で仲睦まじく暮らしている。 (end.)