手紙に思いを乗せて。
中1の夏、親友が亡くなった。 親友である成瀬蒼空(なるせそら)が亡くなった。 近所の子供が轢かれそうになるのをかばって死んだ。 私・栗本志乃(くりもとしの)は、悲しくて泣き喚いた。 朝も、 昼も、 夜も。 勉強だってほったらかして、 蒼空を想って泣き続けた。 息をするのもままならないくらいに泣いた。 蒼空が最後に私に言った言葉は 『またね!』 だった そのまたねは 叶わなかった 「栗本さん、そこの資料の確認しといてね」 「はい!」 10年後、私は社会人になって、小さな会社で働くことになった。 (ふぅー、午前だけでめちゃくちゃ仕事あるじゃん) 中1のあの日、蒼空を失ったことなんて忘れていた いや、忘れなきゃいけないと想ったのが本音だ。 いつまでもずるずる引きずるくらいなら忘れてしまえばいいと思ったんだと思う 「通知?」 そこにはクラスメイトの名前があった [元気にしてる?実は私あかね中学校で教師することになったんだ。それで、私の職員室の席、しばらく使われてないところになったんだけど、そこの引き出しに【To.栗本志乃 From.成瀬蒼空】っていう手紙が見つかったんだ。今度の同窓会で取りに来て!] 手紙? 蒼空からの…? 「もうみんな来てた!?」 「志乃!」「志乃ちゃん!」 その翌月、同窓会があった。 「志乃ー!」 「日向!」 日向。 加藤日向(かとうひなた)。教師をすることになったという友達だ。 「この前言ってた蒼空ちゃんからの…」 「あれね!持ってきた!」 ドキドキしながら封筒を開く。 中の手紙を取り出すと… 〈志乃へ!❀ やっほー!元気かな? 成瀬蒼空です! この手紙は一緒に読んでるかな? うーんもしかしたら読んでないかもだけど… 志乃に言えなかったことがあるんだ。 私、実はいつ亡くなっちゃうか知ってたんだよね。 ほんとにごめん! だから一緒に読めてないかもだけど… 私ね、志乃の運命も知ってるんだ。 志乃が26歳で亡くなっちゃうって… 当たらないことを祈ってます だから、26歳は13歳の2倍だね。 もしかしたらなにかあるのかも? って、そんな陽気に話せることじゃないんだけど… これを読んでるのは10年後かな? ってことは、23歳だね。 あと3年かもしれないんだよ。 私、志乃の26歳の誕生日、会いに行くね! また26歳に会いましょう! 成瀬蒼空より〉 運命を…知ってた… 私は26歳で亡くなっちゃう? 26歳の──誕生日に会える? 会いたいけど多分、会えても気づかないかもしれない そんな…そんなっ! 「うーん、なんて書こう?」 私はあれから4年経って、27歳になった 26歳に亡くなるかもしれないと知って、私は出来る限り危なくならないように気をつけた。 それでも一度事故にあって亡くなりかけたんだけど… あの日は26歳の誕生日だった だから蒼空が助けてくれたのかも? そして、手紙を蒼空に書こうと決めたんだ。 なんて書こうかなぁ… うーん、そうだ! 私は手紙を風船につけて飛ばした。 「蒼空に届きますように!」 蒼空に書いた手紙 〈蒼空へ!❀ この手紙を書いてるのは私・栗本志乃が27歳になったときです。 蒼空は26歳に私が亡くなっちゃうって教えてくれたよね。 あの日、蒼空が助けてくれたんじゃないかって、思ってるんだ。 助けてくれたのならありがとう! 蒼空は私にとって言葉で表すのが難しいくらい大切なんだ。 大好きなんだ!蒼空のこと。 小学校の時からクラス替えのときは絶対に私、蒼空の名前も探すくらいに好きなんだ。 中学2年生からそれが無くなったときはなんだか物足りない気持ちだった。 蒼空との思い出全部宝物なんだ! 宝箱に保管したいくらい! 大好きだよ!蒼空! 栗本志乃より〉 〈あとがき〉 みゅーなです! 長い小説になりましたね。 続きを書きたいくらいです(笑) 志乃と蒼空みたいな親友がほしいですね… ふたりともお互いのこと大好きなんだろうな、と書いてて思いました。 最終的には最初から14年もときが進みましたね。 27歳の志乃は何を思って27歳を迎えたのでしょうか。 そこまで書いてみたかったです。 呼んでいただいた皆様ありがとうございました!